バイナンスUS、米ドル利用で「USDT」入金可能に。MoonPayと提携で

ムーンペイを介しドルを暗号資産に変換へ

米暗号資産(仮想通貨)取引所バイナンスUS(Binance.US)が、暗号資産決済プロバイダーのムーンペイ(MoonPay)との提携により、米ドル(USD)のオンランプ(法定通貨を暗号資産に交換するプロセス)が可能になったことを8月22日発表した。

バイナンスUSは今年6月、米ドル入金の停止を発表しており、同取引所の米国ユーザーは米ドルの入出金ができない状況だ。

同社はこの状況から引き起こされる混乱を回避するために、ムーンペイと提携をしたと思われる。そして今回の対応により、バイナンスUSでの取引の主要通貨がプラットフォーム全体で米ドルから「USDT」に移行したとのことだ。

具体的には、バイナンスUSユーザーがモバイルアプリ内でムーンペイを介して米ドルステーブルコイン「USDT」を米ドルにより購入することで、アカウントに「USDT」が入金できるようになったという。これによりバイナンスUSでは「USDT」を利用して他の暗号資産との交換や取引が可能になる。

また反対に「USDT」をムーンペイにて米ドルに変換することで、バイナンスUSでは実質米ドルの出金が可能になったといえる。

発表にてバイナンスUSは、「当社は当面の間、暗号資産専用の取引所として機能するが、顧客が暗号資産の世界に簡単にアクセスできるよう、サードパーティの決済プロバイダーと提携している」と述べている。

バイナンスUSの米ドル入出金停止について

バイナンスUSは米ドル入出金停止の理由を、米証券取引委員会(SEC)が同取引所の関連資産凍結を6月6日に裁判所へ緊急要請した影響によるものだと説明。バイナンスUSの銀行パートナーは、このSECの要請を考慮して、米ドル建てのチャネルを停止する意向を見せていると伝えられていた。

SECは資金凍結の緊急要請の理由を、バイナンスUSが「長年にわたり違反行為、米国法の無視、規制監督の回避、および様々な金融移転と顧客資産の保管・管理に関する未解決の疑問(裁判所の管轄下にないと主張する被告を含む)を行っているから」だと述べていた。

関連ニュース

参考:Binance.USブログ
デザイン:一本寿和
images:iStocks/Muhammad-Farhad

関連するキーワード

この記事の著者・インタビューイ

髙橋知里

「あたらしい経済」編集部 記者・編集者

合わせて読みたい記事

【12/18話題】メルカリがイーサリアム保有者に毎月ポイント付与、メタプラネットがビットコイン購入資金調達など(音声ニュース)

ブロックチェーン・仮想通貨(暗号資産)・フィンテックについてのニュース解説を「あたらしい経済」編集部が、平日毎日ポッドキャストでお届けします。Apple Podcast、Spotify、Voicyなどで配信中。ぜひとも各サービスでチャンネルをフォロー(購読登録)して、日々の情報収集にお役立てください。

広告

米財務省、北朝鮮の暗号資産マネーロンダリングネットワークに制裁

米国財務省外国資産管理局(OFAC)が、北朝鮮に送金されたデジタル資産のマネーロンダリングに関わったとして、ルー・フアイン(Lu Huaying)氏とチャン・ジエン(Zhang Jian)氏、およびUAE拠点のグリーン・アルパイン・トレーディング社(Green Alpine Trading)に制裁を科したと12月17日に発表した