イーサリアムL2「Linea」のメインネットローンチプロセスが完了
米コンセンシス(Consensys)開発のイーサリアム(Ethereum)レイヤー2ソリューション「Linea(リネア)」が、メインネットのローンチ完了を8月16日発表した。
「リネア」はローンチ完了の一環として、ERC-20規格のトークンブリッジを導入したとのこと。これによりユーザーはERC20トークンを他のブロックチェーンから「リネア」へ移行し、同ネットワーク上のDeFi(分散型金融)アプリなどで運用が可能になるという。
「リネア」は7月11日にメインネットアルファ版のリリースを開始。この1か月の期間にて同ネットワーク上に150以上のパートナーがDapps(分散型アプリ)をデプロイし、270万以上の取引が発生しているとのこと。また現在の「リネア」のネットワーク手数料(ガス代)は、イーサリアムメインネットの15分の1の手数料で、1秒あたり平均1.5トランザクションを処理しているとのことだ。
なお記事執筆時点において「リネア」への預入資産総額(TVL)は、約43.8億円(3,023万ドル)となっている(8/18 15:00L2Beat調べ)。
また「リネア」はメインネットローンチ完了を記念して、8月17日から31日まで初期ユーザー向けのキャンペーンを実施するとした。
同キャンペーンは、web3ウォレット「メタマスク(MetaMask)」やステーブルコイン発行企業「サークル(Circle)」、決済関連の「バンクサ(Banxa)」および「トランザク(Transak)」の協力を得て行われる。
メタマスクの暗号資産交換機能「Buy crypto aggregator」を利用して「USDC.e」を購入することで、ユーザーは「リネア」のネットワーク手数料(ガス代)が免除されるとのことだ。なお「USDC.e」は、「リネア」にブリッジされたUSDCである。
コンセンシス開発の「Linea」は、暗号技術を利用した証明技術「ゼロ知識証明」を用いて開発されたコンセンシス独自のイーサリアムL2スケーリングソリューションだ。同技術によるロールアップ「zk-Rollup」にて正当性を担保しながら計算を別のレイヤーで行い、結果だけを送り返すことでスケーラビリティが向上する仕組みとなっている。
なおロールアップとは、元となるブロックチェーンのセキュリティなどを活用しながら、ガス代(ネットワーク手数料)やネットワークの混雑解消を図るスケーリングソリューションである。
コンセンシスによると「Linea」は、既存のブロックチェーンで広く利用されているEVM(イーサリアムバーチャルマシン)と同等に利用可能とのこと。「Linea」のネットワークではweb3ウォレット「メタマスク」やスマートコントラクト開発者用ツール「トリュフ(Truffle)」、RPCの「インフラ(Infura)」などのEVM互換のブロックチェーンで広く利用されてきたサービスを変わらず利用できるという。
なお「Linea」では独自トークンは発行せず、エアドロップも実施しないとのことだ。
ちなみにコンセンシスは6月27日にリブランディングを行い、ロゴの刷新と綴りを「ConsenSys」から「Consensys」へ変更している。
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参考:リネア
デザイン:一本寿和
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