【速報/取材】バイナンスジャパンがローンチ公式発表、BNB含む34銘柄上場、貸暗号資産やNFT市場も

公式発表、バイナンスジャパンがサービス開始

大手暗号資産(仮想通貨)取引所のバイナンス(Binance)の日本法人バイナンスジャパンが、日本国内でサービスを開始した。バイナンスジャパンが8月1日17時、公式発表した。

日本国内居住者向け専用の取引プラットフォームが開設され、新規利用開始申込の受付も開始されている。なおグローバル版のバイナンスの口座を持つユーザーは、今回の新規利用の対象外になるとのこと。

バイナンスジャパンが提供するサービス

新規利用者向けに公開されたサービスは、暗号資産現物取引、貸暗号資産およびNFTのサービスだ。

暗号資産現物取引においては、国内初の取扱いとなるBNB(Build and Build)やアルゴランド(ALGO)をはじめ合計34の暗号資産がラインナップされている。取り扱い数としては現時点で国内最多となる。なお取引形態はいわゆる板取引が行える「取引所」機能と、「販売所」機能が用意されている。

それぞれで取り扱いになる銘柄は以下の通りだ。

・現物取引(取引所)- 取扱通貨合計32通貨
BTC、ETH、BNB、ADA、ALGO、ASTR、ATOM、AVAX、AXS、BAT、BCH、CHZ、DAI、DOGE、DOT、ENJ、ETC、IOST、LINK、LTC、MATIC、MKR、ONT、QTUM、SAND、SHIB、SOL、TRX、XLM、XRP、XTZ、ZIL

・コンバート(販売所)- 取扱通貨合計34通貨
BTC、ETH、BNB、ADA、ALGO、ASTR、ATOM、AVAX、AXS、BAT、BCH、CHZ、DAI、DOGE、DOT、ENJ、ETC、IOST、JASMY、LINK、LTC、MATIC、MKR、ONT、QTUM、SAND、SHIB、SOL、TRX、XEM、XLM、XRP、XTZ、ZIL

なおバイナンスが買収する前のサクラエクスチェンジビットコイン旧体制下で提供されていたシンボル(XYM)・モナコイン(MONA)・フレア(FLR)・コスプレトークン(COT)については今回中止扱いとなり、取扱方針を決定次第改めて案内すると発表されている。

なお取材したところ、「取引所」サービスでの手数料はグローバル版のバイナンスと同様とのこと。

暗号資産現物取引における入出金に関しては、暗号資産の入庫と日本円の入金に、そして暗号資産の出庫に本日より対応する。なお日本円の出金は8月20日以降を予定しているという。

また現物取引以外にも貸暗号資産のサービスも提供される。暗号資産の貸付によって利息を得ることができる「Simple Earn」、定期的に決まった金額の暗号資産を積立投資できる「自動購入(積立)」が新規ユーザーは利用可能だ。「あたらしい経済」編集部が取材したところ「Simple Earn」に関しては、グローバル版で「Simple Earn」が提供されている暗号資産のうち、日本版で取り扱いのある銘柄に関してはこのサービスが提供される予定とのことだ。

そしてバイナンスがグローバルでもこれまで提供していたNFTマーケットプレイスの利用も可能になる。取材によると、グローバル版と同一のサービスを利用できるため、NFTの発行や取引が行えるようだ。

今後展開されるサービスは?

バイナンスジャパンの提供サービスは、日本の規制の関係でグローバル版と異なる部分も多い。なお先物取引を含むデリバティブ取引サービスについては提供することを目指し、日本法令に準拠した形で鋭意準備を進めていくと発表されている。

トラベルルールについて

また気になるのが、トラベルルールについてだ。発表によるとバイナンスジャパンはトラベルルールに関するソリューションについて、「グローバル・トラベル・ルール(Global Travel Rule:GTR)」に対応しているとのこと。

現在国内の暗号資産取引所において、ビットフライヤーやコインチェックは「TRUST」、GMOコインやビットバンクなど国内の他の取引所は「Sygna Alliance」を採用しており、そのどちらともソリューションが異なる。

そのため、現時点ではバイナンスジャパンから他の国内取引所に暗号資産を出庫することが不可能とのことだ。なおメタマスクのような、利用者が自ら管理する「アン・ホステッド・ウォレット」に対しては原則出庫可能とのこと。

新規ユーザーの利用方法は?

バイナンスジャパンの利用対象者については「日本国内居住者のうち、満18歳以上の方・Binance Japanの口座登録を行い、利用規約に同意いただける方・本人確認手続き(eKYC)の審査を通過された方」と発表されている。

本日17時以降に新規ページが公開される予定とのことで、公開後Webサイトの登録ボタンよりサインアップが可能となるとのこと。もしくはApp storeかGoogle Playストアからバイナンスアプリをダウンロードしての手続きも可能となる。

既存の日本国内居住グローバルユーザーは?

なお今回ローンチしたのは、これまでにバイナンスで口座を持ったことのない新規登録者向けのサービスだ。既存のグローバル版のユーザーは8月14日以降にグローバル版から日本版に移行手続きが可能になるという。

そして12月1日以降、日本版のプラットフォームが利用開始可能になるという。「あたらしい経済」編集部が取材したところ、グローバル版の日本居住ユーザーは8月14日以降に移行手続き後も、11月30日まではグローバル版が段階的に機能制限されるものの、継続利用できるという。つまりグローバル版の既存ユーザーは移行手続き完了後も、日本版のプラットフォームが利用できるのは12月1日以降となる。

なおグローバル版でKYCを完了済みのユーザーも、日本版に移行の際は改めてKYCが必要になるとのことだ。

バイナンスジャパンのこれまで

バイナンスは昨年11月、国内で暗号資産交換業者として暗号資産取次業を行うサクラエクスチェンジビットコイン(SEBC)の全株式を取得したことを発表。そしてSEBCは今年4月に、取引所の取次サービス終了と新規サービス「Binance JAPAN(仮称)」開始の予定を発表していた。

なおグローバル版バイナンスでは国内の規制を遵守する為に、昨年11月30日の日本時間17時 より、日本国内からの新規ユーザーが登録できない状態となっており、また日本居住者向けのサービスは今年11月30日をもって終了することが発表されていた。

そしてバイナンス(Binance)のCEOチャンポン・ジャオ(Changpeng Zhao:CZ)氏は7月25日、今年8月に日本の暗号資産市場へ参入することをweb3カンファレンス「WebX」にて発表していた。

なお今回の日本向けプラットフォーム稼働に合わせ、社名を株式会社サクラエクスチェンジビットコインからBinance Japan株式会社へ変更したこともあわせて発表されている。

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この記事の著者・インタビューイ

設楽悠介

「あたらしい経済」編集長/幻冬舎コンテンツビジネス局局長 幻冬舎でブロックチェーン/暗号資産専門メディア「あたらしい経済」を創刊。同社コンテンツビジネス局で電子書籍事業や新規事業を担当。幻冬舎コミックスの取締役兼務。「Fukuoka Blockchain Alliance」ボードメンバー。福岡県飯塚市新産業創出産学官連携協議会委員。ポッドキャスターとして、Amazon Audible original番組「みんなのメンタールーム」や、SpotifyやAppleにてweb3専門番組「EXODUS」や「あたらしい経済ニュース、ビジネス系番組「二番経営」等を配信中。著書『畳み人という選択』(プレジデント社)。

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