EDXMがTalosと統合
米国の新興デジタル資産取引所EDXM(EDX Markets)が、デジタル資産の機関投資家向け取引技術を提供するタロス(Talos)と統合することを7月25日発表した。
この提携により、EDXMはタロスの取引プラットフォームを利用できるようになるとのこと。また、タロスはEDXMと統合する最初の注文・執行管理システム(OEMS)となり、機関投資家に対し、フロントエンド・インターフェースと取引ツールを通じて、より幅広い流動性取引所へのアクセスを提供することになるという。
またタロスはEDXMに対し、一流の取引所、カストディアン、OTCデスク、マーケットメーカーを含む40以上のプロバイダーのネットワークへのアクセスを提供するという。
ちなみにタロスの顧客には、アルゴリズム取引を提供するウィンターミュート(Wintermute)、デジタル資産金融サービス提供のジェネシス(Genesis)、暗号資産管理アプリを提供するアブラ(Abra)、デジタル資産サービスプロバイダーのBCBグループ(BCB Group)らが名を連ねていることが同社ウェブサイトより確認できる。
なおアルゴリズム取引とは、コンピューターシステムが株価や出来高などに応じて、自動的に株式売買注文のタイミングや数量を決めて注文を繰り返す取引のことだ。
EDXMのCEOであるジャミール・ナザラリ(Jamil Nazarali)氏は「この提携により、顧客に対する流動性オプションの幅が広がり、伝統的な金融機関と暗号資産ネイティブ企業の両方に包括的で堅牢な取引体験を提供するという当社のコミットメントが強化される」と述べている。
タロスの共同創立者兼CEOのアントン・カッツ氏は、「当社の取引テクノロジーと統合することで、EDXMはリーチを拡大し、サービスを強化し、市場参加者に安全で効率的かつ透明性の高い取引体験をもたらす」とコメントした。
EDXMについて
EDXMはチャールズ・シュワブ(Charles Schwab)、シタデル・セキュリティーズ(Citadel Securities)、フィデリティ・デジタルアセット(Fidelity Digital Assets)などの証券会社や資産運用会社によって昨年9月に設立されたデジタル資産取引所である。また同年10月にはカストディアンとしてブロックチェーンインフラ開発企業パクソス(Paxos)を採用。EDXMは立ち上げ当初、これらの会社の知見を活かし、高いコンプライアンスと安全性を強みとして、米国の投資家に高速な暗号資産取引を提供することを目指すと伝えていた。
EDXMでは、顧客のデジタル資産を直接取り扱わない「ノンカストディアル(非保管)」モデルの取引所となっている。第三者の銀行や暗号資産カストディ機関を利用して顧客資産を保管する。
またEDXMでは個人投資家に直接サービスを提供していない。フィデリティなどの証券会社を通じて注文を出す、株式市場と同様の形式をとる取引所となっている。
EDXMは今年6月20日、運営開始を発表。立ち上げにあたり、ビットコイン(BTC)、イーサリアム(ETH)、ライトコイン(LTC)、ビットコインキャッシュ(BCH)の4銘柄の暗号資産の取引を提供している。
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