アバランチ財団、現実世界の資産のトークン化促進に約70億円割り当て

アバランチがトークン化資産の購入に5000万ドル割り当て

レイヤー1ブロックチェーン「アバランチ(Avaranche)」の運営・開発を支援するアバランチ財団(Avalanche Foundation)が、アバランチ上でミント(発行/鋳造)された「トークン化した現実世界の資産(リアルワールドアセット)」の購入に最大5,000万ドル(70.4億円)を割り当てる取り組みを7月25日に発表した。

アバランチはこの取り組みを「アバランチ・ヴィスタ(Avalanche Vista)」と名付けており、取り組みの目的を「トークン化の価値をサポートし、実証すること」としている。

また「アバランチ・ヴィスタ」は、株式・信用・不動産などの金融商品だけでなく、ブロックチェーンネイティブの資産を含む、流動性のあらゆる範囲にわたる資産を購入の考慮に入れるという。

なおここでいうトークン化とは、スマートコントラクトを使用して現実世界の資産や権利をデジタルトークンに変換する取り組みのこと。国内でも複数の証券会社がトークン化された有価証券「セキュリティ・トークン(ST)」の取り扱いを開始している。

アバランチは今回の発表を行ったブログにて、エネルギーやインフラなど複数のアセットを取り扱う投資会社KKRが提供するプライベート・エクイティファンドを一部アバランチでトークン化した例や、アバランチのサブネットで構築した、ST用管理プラットフォームおよびマーケットプレイスである「インテインマーケッツ(IntainMARKETS)」を紹介している。

アバランチは、異なるデータ構造を採用するContract Chain(Cチェーン)、Platform Chain(Pチェーン)、Exchange Chain(Xチェーン)の3つのブロックチェーンを持つ、マルチチェーンフレームワークを採用したブロックチェーン。

Cチェーンではスマートコントラクトの実行が可能なため、dAppsの構築に利用される。またPチェーンはアバランチにおけるメタデータを記録するチェーンとなっており、ネイティブトークン「AVAX」のステーキングやバリデーター、サブネットの管理に用いられる。そしてXチェーンは資産の作成およびトレードに特化したチェーンとなっている。

またアバランチでは、同ネットワークを利用して独自ブロックチェーンが構築できる「サブネット」の機能も提供している。

関連ニュース

    参考:アバランチブログ
    デザイン:一本寿和
    images:iStocks/VPanteon・LongQuattro

    関連するキーワード

    この記事の著者・インタビューイ

    田村聖次

    和歌山大学システム工学部所属 格闘技やオーケストラ、茶道など幅広い趣味を持つ。 SNSでは、チェコ人という名義で、ブロックチェーンエンジニアや、マーケターとしても活動している。「あたらしい経済」の外部記者として記事の執筆も。

    合わせて読みたい記事

    イーサリアム研究者ら、EigenLayerのアドバイザー辞任。中立性の懸念を理由に

    イーサリアム財団(Ethereum Foundation)の研究者でありながら、リステーキングプロトコルであるアイゲンレイヤー(EigenLayer)のアイゲン財団(Eigen Foundation)のアドバイザーとなったことで物議を醸していた、ジャスティン・ドレイク(Justin Drake)氏とダンクラッド・ファイスト(Dankrad Feist)氏が、アイゲンレイヤーの顧問を辞任したことをそれぞれのXアカウントにて11月3日に発表した

    【11/5話題】メタプラネットがグローバル株式指数BLOCKに採用、香港OSLがコインベスト買収など(音声ニュース)

    メタプラネット、グローバル株式指数「コインシェアーズ・ブロックチェーン・グローバル・エクイティ・インデックス」に採用、暗号屋が暗号資産市場のマーケットメイク事業開始、上場後トークンの流動性不足の課題解決で、香港認可の個人向け暗号資産取引所OSL、コインベスト買収で日本市場へ参入へ、「獺祭」の旭酒造、正規品の証明にブロックチェーン活用。SBI「SHIMENAWA」導入で、英年金関連企業カーライト、年金基金のポートフォリオにビットコイン組み込み、独通信事業者ドイツテレコム子会社、余剰エネルギー活用のBTCマイニングをテスト、ステーブルコイン決済BridgeがウォレットAPI提供Triangle買収、Stripeによる大型買収進行中に、UBSアセットマネジメント、イーサリアム上でトークン化マネーマーケットファンド「uMINT」立ち上げ

    広告