スタークウェアが「Starknet Stack」β版提供へ
「スタークネット(StarkNet)」開発元のスタークウェア(Starkware)が、アプリ独自のブロックチェーンを展開するためのツールキット「スタークネットスタック(Starknet Stack)」の開発を進めていることを7月19日発表した。
「スタークネットスタック」は、「スタークネット」の技術を活用して、特定のアプリケーションのニーズに応えるように設計するアプリ独自のブロックチェーン構築が可能となる開発者用のツールキットだ。あらゆるアプリケーションが独自の「スタークネットアップチェーン(Starknet Appchain)」をパーミッションレスで展開可能にすることを目的としているという。
「スタークネットスタック」によって構築したアプリチェーンには、開発者が独自の手数料モデルやコンセンサスメカニズム、「スタークネット」のパブリックチェーンではサポートされていない機能を自由にアプリへ実装できるとのことだ。
なお同ツールキットは、スタークウェア開発のプログラム言語「カイロ(Cairo)」が採用されているとのこと。同言語は、現在アバランチ(Avalanche/AVAX)などの複数のブロックチェーンで用いられている言語「ラスト(Rust)」に非常に似た設計となっているため、習得するために費やす時間が少なくて済むという特徴がある。
発表によると最初の「スタークネットアップチェーン」は、近日中にメインネットにてクローズドベータ版を開始する予定とのことだ。
なお「スタークネット」は、zkRollup(zkロールアップ)を活用したイーサリアムのレイヤー2スケーリングソリューション。zkRollupとは、暗号技術を利用した証明技術「ゼロ知識証明(zero-knowledge proof:zkp)」活用のロールアップのこと。ロールアップは、元となるブロックチェーンのセキュリティなどを活用しながら、ガス代(ネットワーク手数料)やネットワークの混雑解消を図るスケーリングソリューションである。
We are incredibly excited to introduce Starknet Appchains!
— Starknet 👉👈 (@Starknet) July 19, 2023
Starknet is emerging as one of the most performant and innovative scaling platforms out there. The most brilliant and innovative apps and tools are all there. pic.twitter.com/OB8exT29lw
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参考:スタークウェア
デザイン:一本寿和
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