「東京をweb3の拠点に」、トークン報酬や国際税務コンプラ管理の「Toku」が日本から世界へ発信する理由(Murai Ken O‘Friel / ムライケンオフリル)

従業員へのトークン報酬の国際税務コンプライアンスを整備

多くの暗号資産領域の企業は、世界中に従業員を抱えている。従業員らへの報酬はトークンでの支払いになることもあり、その税務処理などは当然各国のルールに準ずることが求められている。しかし、その業務は非常に煩雑である。

そうした課題を解決するのがTokuの提供するサービスだ。Tokuは東京在住の日本人起業家Murai Ken O’Friel(ムライケンオフリル)氏が共同創業した、東京を拠点とするスタートアップ企業だ。

同社はトークン報酬に関連する国際税務コンプライアンスに焦点を当て、暗号資産関連企業に包括的なソリューションを提供している。具体的には、トークン給与および税務コンプライアンス管理ソリューション「Token Payroll」、トークン付与やグラントの管理ソリューション「Token Grant Administration」、世界中の 100 以上の管轄区域での従業員管理ソリューション「Employer of Record」などのサービスだ。Tokuは既にグローバルな有名企業や、プロジェクトにも採用されており、この領域で存在感を示している。

伝統的な金融業界での知見に基づく、ルール準拠へのコミットメント

Toku共同創業者兼CEOのMurai氏は、株式トレーダーのキャリアを持つ。そこで積み重ねた経験や知見が、Tokuのユニークなサービスや同社のビジョンに影響を与えていると言えるだろう。

Murai氏には国際的な税務規制を確実に遵守するという揺るぎない信念がある。「彼の金融領域に精通した知識やチームを牽引するリーダーシップが、暗号資産関連企業からの信頼を呼び起こしています」とチームメンバーも語る。

Murai Ken O’Friel(ムライケンオフリル)

高まるコンプライアンスへの意識

FTXの破綻や、各国当局の規制強化により、世界中の暗号資産関連企業にとってコンプライアンス遵守が今や最優先事項となっている。

「現在、多くの暗号資産関連企業が納税義務に関する規制を遵守することの重要性を特に認識している。そして、この流れは加速するだろう。だからこそ、100カ国以上の税法を徹底的に検証しTokuのプラットフォームを開発しました。トークンベースの報酬という新興分野で、他にはない一線を画したサービスを提供できていると自負しています」とMurai氏は語る。

拡大する顧客層とグローバルリーチ

Tokuの主な顧客は、大規模な暗号資産関連企業やプロジェクトだ。Filecoin Foundation、Gnosis、Hedera Hashgraph、PleasrDAOなどが、Tokuのソリューションを活用している。

「今後はベンチャーキャピタル業界からの顧客を獲得することでリーチを広げ、事業を拡大します。トークンベースの報酬と、税務コンプライアンスにおけるグローバルリーダーシップを発揮していきたいです」とMurai氏は意気込む。

日本からグローバル企業を生み出すミッション

「私のミッションは、日本から世界をリードするグローバル企業を生み出すことです」

Murai氏の掲げるミッションを後押しするのは、著名な投資家らだ。同社は今年3月に2000万ドル(約28億円)の資金調達を実施した。投資家にはBlockchain Capital、Orrick、Protocol Labs、Alchemyの創設者らが名を連ねている。

「Tokuが成長することにより、世界から日本や東京に多くの優秀な人材と、投資を呼び込みたいと思っています。東京は、web3のグローバルイノベーションの拠点になるポテンシャルが十分にあります。世界のブロックチェーン業界における東京の地位を向上させたいです。」

さらにMurai氏は、日本の暗号資産関連企業も刺激したいと語る。

「私たちが東京を拠点にビジネスを進めることで、日本のブロックチェーンコミュニティに刺激を与え、日本のイノベーションと日本人の起業家精神を後押ししたいと思っています。そして起業家たちの挑戦をTokuのソリューションで支援していきたいです」

現在、日本からグローバルで戦っているAstar NetworkもTokuのソリューションがサポートしていると、Murai氏は語る。またTokuは、毎月のミートアップや大型イベントを開催している。国外から日本に訪れる起業家と国内の暗号資産コミュニティの架け橋になり、業界の発展を目指している。

日本をweb3におけるグローバル拠点に

Murai氏を取材して感じたのが、長い海外生活で培われた力強い起業家精神とバイタリティだ。そんな彼は日本を拠点としつつも、世界中を飛び回り、グローバルなプロジェクトを手がけている。

Murai氏率いるTokuがグローバルな暗号資産関連企業の国際税務コンプライアンスに革命を起こし、そして国内の企業を刺激し日本のイノベーションを促進してくれることに期待したい。

関連リンク

・公式サイト
https://www.toku.com/

・お問い合わせフォーム
https://www.toku.com/resources/contact

インタビューイ・プロフィール

Murai Ken O’Friel(ムライケンオフリル)
Toku Co-Founder/CEO
東京で生まれ育ち、幼少期を日本で過ごす。アメリカの大学を卒業後、東京でメリルリンチ、日本証券トレーダーとして働く。2020年にTokuを創業する。

編集:設楽悠介/髙橋知里

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Murai Ken O'Friel(ムライケンオフリル)

Toku Co-Founder/CEO 東京で生まれ育ち、幼少期を日本で過ごす。アメリカの大学を卒業後、東京でメリルリンチ、日本証券トレーダーとして働く。2020年にTokuを創業する。