クロスチェーンプロトコル「Multichain」、ハッキングで約1.25億ドルの資金流出

Multichainブリッジでハッキング被害

マルチチェーン(Multichain)提供のクロスチェーンブリッジから、1.25億ドル相当(約177億円)の資金が流出していると7月7日に報告された。

なお資金流出を報告したのは、ブロックチェーンのセキュリティーおよびデータ分析企業のペックシールド(PeckShield)だ。

マルチチェーンは報告の後ツイッターにて、マルチチェーンのアドレスにロックアップ中の資産が外部のアドレスに異常に送金されていることを認め、何が起こったのかは不明であり現在調査中であると述べた。また同時にすべてのユーザーに対しマルチチェーンのサービス利用を停止し、関連する全てのスマートコントラクトのリボーク(Revoke)を推奨している。

ちなみにリボークは、スマートコントラクトに対して与えたトークンの使用許可を撤回することだ。イーサスキャン(Etherscan)などのブロックチェーンエクスプローラーの他、リボークするサービスから実行ができる。

なお今回ハッキング被害にあったのはレイヤー1ブロックチェーンのファントム(Fantom)ネットワーク上からだ。なおハッキングによって流出した資産は、他のチェーンの資産と低価格で取引されており、ステーブルコインのペッグ通貨と価格が解離するデペッグが起きているとのことだ。

ペックシールドはこの報告の際に、オムニチェーンプロトコル「レイヤーゼロ(LayerZero)」が同日にツイートした「ファントムネットワークでUSDCおよびUSDT、WETH、WBTCが利用可能になった」を引用し、今回の資金流出に関係しているのではないかとの指摘を行った。

これに対しレイヤーゼロのCEOブライアン・ペレグリノ(Bryan Pellegrino)氏は、今回の資金流出はマルチチェーンが攻撃を受けた可能性があるだけでレイヤーゼロは関係ないと主張したという。

また現在、クロスチェーン取引が行われた際にファントム側でトークンがバーン(焼却)されていなかったことから、ブリッジの管理者によるハッキングの可能性も疑われている。

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    デザイン:一本寿和
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    この記事の著者・インタビューイ

    田村聖次

    和歌山大学システム工学部所属 格闘技やオーケストラ、茶道など幅広い趣味を持つ。 SNSでは、チェコ人という名義で、ブロックチェーンエンジニアや、マーケターとしても活動している。「あたらしい経済」の外部記者として記事の執筆も。

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