ジャックドーシーの分散型SNS「Bluesky」、シードラウンドで約11.5億円調達、有料サービス発表も

著名投資家らが名を連ねる

元ツイッターCEOジャック・ドーシー(Jack Dorsey)氏が牽引する分散型SNS「ブルースカイ・ソーシャル(Bluesky Social)」が、シードラウンドで800万ドル(約11.5億円)を調達したと7月5日発表した。

このシードラウンドは、テクノロジー関連のメンターコミュニティNEOが主導している。なおNEOは、非営利団体コードオルグ(Code.org)共同創業者エンジェル投資家でもあるアリ・パートヴィ(Ali Partovi)氏がCEOを務め、Twitterのプロダクト・ディレクターを務めた経歴を持つスザンヌ・シェ(Suzanne Xie)氏などが所属する組織だ。

また同ラウンドには、Googleのクバーネティス(Kubernetes)プロジェクトの創始者の一人として知られるジョー・ベダ(Joe Beda)氏や、オープンソース・ソフトウェア&サービス・プロバイダーのレッドハット(Red Hat)の共同創業者であるボブ・ヤング(Bob Young)氏、プロトコルラボ(Protocol Labs)など著名な企業及び経営者たちが参加したとのこと。

今回調達した資金の使途は、チームの拡大、運営・インフラコストの管理、ブルースカイアプリの要であるATプロトコルのエコシステム強化に充てるとのことだ。

有料サービスも検討

発表によれば、ブルースカイのコードはすべてオープンソースであり、ユーザーが自身のデータを所有し、いつでも自由に離脱できるプロトコルの構築を目指してきたという。そのため、広告用にユーザーデータを売るといったビジネスモデルにならないよう、他の収益化手段を模索してきたという。その第一歩として有料サービスであるカスタムドメインを導入したとのことだ。

ブルースカイはドメイン登録業者のNamecheapと提携し、ドメインを簡単に購入・管理できるサービスを提供しているという。

現在すでに13,000人以上のユーザーがすでに所有しているドメインをハンドルネームとして再利用したり、ブルースカイ専用のドメインを購入したりしているとのことだ。また利用者の一例として、米国の上院議員がsenate.govドメインを使用して、ブルースカイ上で身元確認を行っているユースケースもあるという。

ブルースカイについて

ブルースカイプロジェクトはジャック・ドーシー(Jack Dorsey)が、2019年末、当時ツイッターに在籍中に構想を発表したもの。2021年8月よりZcashの元ソフトウェアエンジニアのグレイバー氏がリーダーとなり、プロジェクトは本格始動していた。

また昨年10月には、ブルースカイのプロトコル名を「ADX」から「Authenticated Transport (AT)Protocol」に改名し、その概要を発表していた。なお「AT Protocol」は、新しい連合型ソーシャルネットワークのためのプロトコルで、最新の分散型テクノロジーのアイデアを、シンプルで高速、かつオープンなネットワークに統合していると説明されていた。

今年3月には「ブルースカイ」iOS版がApp Storeで公開されている他、デスクトップ版も「https://staging.bsky.app/」にてアクセスが可能となった。4月19日にはAndroid版のアプリがGoogle Play ストアからリリースされている。

ただし、現状これら全ての「ブルースカイ」を利用するにはウェイティングリストに登録し招待されるか、既存ユーザーから招待コードを得る必要がある。

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参考:Bluesky
デザイン:一本寿和
images:iStoks/RomoloTavani・BadBrother

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この記事の著者・インタビューイ

髙橋知里

「あたらしい経済」編集部 記者・編集者

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