ルミネックス、ビットコインNFT「Ordinals」の新規格「BRC69」提案

Ordinalsの新しい標準規格「BRC-69」が提案

ビットコインオーディナルズ(Bitcoin Ordinals)用のローンチパッドプラットフォーム「ルミネックス(Luminex)」が、新しいコレクション作成用の標準規格「BRC-69」を7月3日に発表した。

「オーディナルズ(Ordinals)」は、ビットコインの最小単位である1satoshi(0.00000001BTC)に通し番号をつけ、ひとつのsatoshiに任意のデータを紐づけるプロトコル。2021年11月に実施されたアップグレードである「タップルート(Taproot)」を経て「オーディナルズ」は実現した。「オーディナルズ」を利用することでビットコインネットワーク上にトークンやNFT(非代替性トークン)を作成することができる。

「オーディナルズ」を利用したトークンは、送金やミント(発行/鋳造)の際にビットコインネットワークを使用するため、取引数が大幅に増加し、ネットワークにおける取引手数料が急上昇してしまうことが問題視されている。

今回提案された「BRC-69」は、この「オーディナルズ」を利用したNFTをより安い手数料かつ小さいデータサイズでミントするための標準規格だ。

同規格を採用することで開発者は、リカーシブ(再帰的)なNFTをミントできる。リカーシブなNFTは、ミントや取引のコストを削減できるだけでなく、その他の機能実装が可能になるなど、開発に関して高い柔軟性を持たせられる。これにより、事前にNFTの詳細を確認できなくする機能「プレリベール」などイーサリアム上ですでに使用されている仕組みが「BRC-69」採用により、「オーディナルズ」NFTに実装できるという。

なおリカーシブとは、データを呼び出すことが出来る性質のこと。呼び出しができるため、大きなデータを複数のデータパッケージに分けて保存することも可能になる。そのためデータの制限を実質的に無くすだけでなく、実際に取引するsatoshiに保存されるデータを小さくできるため、取引コストも削減できるというわけだ。

Github上の説明によると同規格では、ブロックスペースの90%以上の最適化をしながら、すべてのオンチェーンリソースを保存するという。

またこのプロセスは「形質の画像をオンチェーンに書き込む」、「コレクションのデプロイ用JSONの記述」、「コレクションのコンパイラ用JavaScriptを登録する」、「ミント操作を行う」という4つのステップを踏むことで実行されるとのことだ。

ビットコインNFTは登場以来大きな注目を集めており、5月30日にはイーサリアム(Ethereum)上の人気NFTコレクション「Miladys(ミレディズ)」が新たなトークン規格「BRC-721E」を採用したビットコインNFT「Bitcoin Miladys(ビットコインミレディズ)」をリリースしている。

「BRC-721E」はイーサリアム上に発行されたNFTをバーン(焼却)し、そのNFTの情報をビットコインネットワーク上の「satoshi」に与えることで、ビットコインネットワーク上のNFTとして扱えるようにする「Ordinals Bridge(オーディナルズブリッジ)」を実現するものだ。

ただし、このブリッジを利用するとイーサリアム上で保有していたNFTを焼却するため、ビットコインネットワークから元のイーサリアム上にブリッジすることができない。そのため「Ordinals Bridge」の利用には、イーサリアム上にあった元のNFTが二度と手に戻らないことに注意が必要である。

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参考:ギットハブ
デザイン:一本寿和
images:iStocks/MARHARYTA-MARKO

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この記事の著者・インタビューイ

田村聖次

和歌山大学システム工学部所属 格闘技やオーケストラ、茶道など幅広い趣味を持つ。 SNSでは、チェコ人という名義で、ブロックチェーンエンジニアや、マーケターとしても活動している。「あたらしい経済」の外部記者として記事の執筆も。

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