TOKIがトークン発行プロトコルNobleと提携、日本のステーブルコインをCosmosエコシステムへ

TOKIがトークン発行プロトコルNobleと提携

パブリックブロックチェーン間でクロスチェーン取引を可能にする「クロスチェーンブリッジ」開発のTOKI(トキ)が、トークン発行プロトコルNoble(ノーブル)とのパートナーシップ締結を7月3日発表した。

この提携は、Cosmas(コスモス)エコシステムに、日本円に担保された日本のステーブルコインを導入することを目的としたものであるという。なおTOKIは、ステーブルコイン発行管理基盤「Progmat Coin(プログマコイン)」を推進する三菱UFJ信託銀行およびDatachain(データチェーン)と技術提携している。

コスモスエコシステムへのステーブルコイン導入には、ノーブルのネイティブトークン発行インフラを活用するとのこと。このインフラは、暗号資産の中でも特に流動性の高いステーブルコインを、厳格な規制遵守に合致した方法で発行することを目指す機関向けに開発されたとのことだ。

なおノーブルは、米ドルステーブルコイン「USD Coin(USDC)」のコスモスネットワークのエコシステムでのネイティブ対応にあたり、「USDC」発行元の米サークル(Circle Internet Financial)にも採用されている。なお対応の開始日については、現状発表はされていない。

TOKIによると、ノーブルを介することで日本のステーブルコインをコスモスエコシステム内での発行・流通が実現できるという。ネイティブ対応したステーブルコインをIBC(ブロックチェーン間通信プロトコル)を介してコスモスエコシステムのDEX(分散型取引所)のOsmosis(オズモシス)やdYdX v4にシームレスに移動させ、利用可能にできるとのこと。

またTOKIは今回の提携を通じて、その他のコスモスエコシステムにあるアプリケーションを統合し、幅広い「クロスチェーン」のユースケースを単一のトランザクションで可能にし、エコシステムの大幅な拡大につながる構想をしているとのことだ。

発表によると2024年春までにノーブル上で日本のステーブルコインを発行開始する予定だという。なおTOKIのクロスチェーンブリッジ プロトコル自体は、2023年第4四半期から2024年第1四半期にメインネットを立ち上げる予定とのことだ。

TOKIは今年6月、三菱UFJ信託銀行およびDatachain(データチェーン)と技術提携を開始している。

この提携は、マルチチェーンで展開されるステーブルコインのクロスチェーン取引を可能にするインフラ構築を目指すために行われたとのこと。

「Progmat Coin」によって発行される予定のステーブルコインが、様々なパブリックブロックチェーン上で発行・流通されることを想定して、3社はインフラ構築を行うとしている。

なお「Progmat Coin」を用いた各種ステーブルコインは、6月1日に施行された改正資金決済法により、取り扱う仲介業者がライセンス登録を完了し次第、発行・流通が可能になる予定となっているとのこと。

また「Progmat Coin」によるステーブルコインは、イーサリアムやコスモス、アバランチ、ポリゴン等のパブリックブロックチェーンを含む各種ブロックチェーン基盤上でのステーブルコインの発行が想定されており、今回の提携でコスモスエコシステムでの発行が進められたということになる。

関連ニュース

参考:TOKI
デザイン:一本寿和

images:iStoks/olegback・Who_I_am

関連するキーワード

この記事の著者・インタビューイ

大津賀新也

「あたらしい経済」編集部 記者・編集者 ブロックチェーンに興味を持ったことから、業界未経験ながらも全くの異業種から幻冬舎へ2019年より転職。あたらしい経済編集部では記事執筆の他、音声収録・写真撮影も担当。