仕組み債のDeFi「Cega」がアービトラムに展開へ、新プロダクトのローンチも

Cegaがアービトラムに展開へ

日本発のDeFi(分散型金融)プロジェクト「Cega(セガ)」が、新たにアービトラム(Arbitrum)上でローンチする予定であることが分かった。「Cega」開発元のCega Finance(セガファイナンス)共同設立者兼CEOである豊崎亜里紗氏が、京都府で開催された大規模カンファレンス「IVS Crypto 2023」にて6月30日に先行発表した。

「Cega」は、債券とオプションを組み合わせた仕組債をブロックチェーン上で取り扱う初のプロトコルとして、2022年6月にSolana(ソラナ)ブロックチェーン上にメインネットローンチ。今年4月にはイーサリアム上にローンチし、同プロジェクトとして初めてマルチチェーン展開した。

そのためアービトラムへのローンチは「Cega」として3つ目のブロックチェーン対応になる。豊崎氏によると本ローンチは7月6日になるようだ。

なおアービトラムはイーサリアム(Ethereum)のレイヤー2スケーリングソリューションだ。同ネットワークではスケーリング技術のひとつである「オプティミスティックロールアップ(Optimistic Rollups)」を採用し、イーサリアムの安全性を保ちつつオフチェーンでの高速処理を実現している。

新プロダクト発表も

また豊崎氏は上記発表と同日に、新たなプロダクトの導入も発表している。

今回導入されたのは「Puppy Vault(パビーボルト)」および「L2 Vault(L2ボルト)」の2つだ。

「Puppy Vault」は、ドージコイン(DOGE)およびシバイヌ(SHIB)にエクスポージャーをとるバスケットオプション。最大24.4%のAPY(年間収益率)を提供するという。なお原資産の価格が27日間で50%以上下落しない限り、投資資本は損失から保護される。バックテスト結果に基づくと、キャピタルロスの確率は4%とのことだ。

また「L2 Vault」については、アービトラム(ARB)およびオプティミズム(OP)にエクスポージャーをとるバスケットオプション。最大63%のAPYが提供されるとのこと。なお原資産の価格が27日間で50%以上下落しない限り、投資資本は損失から保護される。バックテスト結果に基づくと、キャピタルロスの確率は5%とのことだ。

なお「Puppy Vault」および「L2 Vault」は現在、イーサリアム上の「Cega」にて提供されている。

Cegaとは

「Cega」は、基本的なオプション (コール=買う権利、プット=売る権利など)と高度な条件を付加したエキゾチックオプションを組み合わせた仕組債にステーキングできるサービスだ。この仕組債はノックインとノックアウトのバリアオプションとプットとコールのバスケットオプションの条件を付与したフィクスト・クーポン・ノート(FCNs)として組成しているとのこと。

ちなみに「エキゾチックオプション」とは、権利行使価額や原資産価格の決め方などが特殊な条件となっているオプション。「ノックイン」は資産があらかじめ決められた価格(水準)を下回ることで、「ノックアウト」は、あらかじめ決められた価格(水準)を上回ることを指す。

また「バリアオプション」とは、原資産価格がある一定の価格(バリア)に到達(ヒット)するか否かで、権利が発生もしくは消滅するオプションのこと。

そして「バスケットオプション」は、複数の資産のポートフォリオを原資産とするオプションである。最後に「フィクスト・クーポン・ノート(FCNs)」は、 一定の条件の元、投資家に定期的なクーポン支払いを提供する金融商品のことである。

「Cega」開発元のセガファイナンスは今年3月28日、約7億円(500万ドル)の追加調達完了を発表していた。このラウンドは、Dragonfly Capital Partners(ドラゴンフライキャピタル)が主導したもので、他にもPantera Capital(パンテラキャピタル)やRobot Ventures(ロボットベンチャーズ)らが出資参加している。

また今年4月1日にセガファイナンスは、イーサリアムへの展開とトレーディング・マーケットメーキングを専門とするグループ企業Tras Mobian(トラスモビアン)を設立したことを発表している。

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参考:cega
デザイン:一本寿和
images:iStoks/dalebor・olegback

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この記事の著者・インタビューイ

大津賀新也

「あたらしい経済」編集部 記者・編集者 ブロックチェーンに興味を持ったことから、業界未経験ながらも全くの異業種から幻冬舎へ2019年より転職。あたらしい経済編集部では記事執筆の他、音声収録・写真撮影も担当。

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