ドイツ規制当局がバイナンスの暗号資産ライセンス申請を拒否か
独金融規制当局であるドイツ連邦金融監督庁(BaFin)がバイナンス(Binance)に対し、暗号資産(仮想通貨)カストディライセンスを付与しないことを伝えたと、この問題に直接詳しい人物が6月29日語った。
このことは、世界最大の暗号資産取引所であるバイナンスにとって、後退する一連の出来事の中で、最新のものとなった。現在バイナンスは世界中の規制当局から圧力を受けている。
米国証券取引委員会(SEC)は今月、バイナンスとそのCEOであるチャンポン・ジャオ(Changpeng Zhao:CZ)氏を、米国の法律を逃れるための「欺瞞の網(web of deception)」と規制当局が呼んだ件で提訴した。バイナンスは容疑を否認している。
BaFinは、守秘義務を理由に個々の企業についてのコメントを控える声明を発表している。
バイナンスは、規制当局との会話の詳細を共有することはないと述べた。しかし「私たちは、BaFinの要件を遵守するために努力を続けている」と付け加えた。
同社はこれについて「詳細かつ継続的なプロセス」と述べ、「ドイツの規制当局との協議を継続するための適切なチームと対策を整えている」と自信を見せている。
ここ数週間、バイナンスには問題が山積されている。
6月26日にはオーストリアの金融規制当局(FMA)へのライセンス申請を取り下げており、また6月23日にはベルギーの規制当局がバイナンスに対し暗号資産取引とカストディウォレットサービス提供を即時停止するよう命じている。
そしてバイナンスは、オランダの規制当局から暗号資産サービスプロバイダー(VASP)ライセンスを取得できなかったとして、オランダ市場から撤退すると6月16日発表。さらには英国でも事業を行うためのライセンス申請を取り消している。
BaFinは2021年、バイナンスに対し、必要な情報を得ずにドイツ国内の顧客に特定のデジタルトークンを提供した場合、罰金を科すリスクがあると警告した。
関連ニュース
- バイナンスの欧州提携銀行ペイセーフ、9月にサポート終了へ
- Sui財団、バイナンスでのステーキング報酬売却の噂を否定
- バイナンスがオーストリアのライセンス申請取り下げ=報道
- ベルギー規制当局、バイナンスにサービス提供停止を命じる
- バイナンス、カザフスタンでデジタル資産プラットフォーム立ち上げ
※この記事は「あたらしい経済」がロイターからライセンスを受けて編集加筆したものです。
Binance’s European banking partner Paysafe to withdraw support
Reporting by Rishabh Jaiswal in Bengaluru; Additional reporting by Rahat Sandhu, Yana Gaur, Anirudh Saligrama and Jyoti Narayan; editing by Sherry Jacob-Phillips, Jason Neely and Shinjini Ganguli
翻訳:大津賀新也(あたらしい経済)
images:Reuters