バイナンスがオーストラリアから撤退
大手暗号資産(仮想通貨)取引所のバイナンス(Binance)のヨーロッパ戦略がまたも後退した。
バイナンスは、オーストリアの金融規制当局(FMA)へのライセンス申請を取り下げたという。報道機関のファイナンスフォワード(FINANCE FWD)が情報筋の話をまとめる形で6月26日報じた。
報道によると、明確な時期は定かではないが少し前にバイナンスはFMAへの登録申請を取り下げたようだと関係者が明かしたという。
またその他にもFMAがバイナンスに対し、水面下で圧力をかけていたとも報じられている。
FMAはファイナンスフォワードからのコメントの要請に応じ、個々の企業についてのコメントは控えると回答したとのことだ。
なおバイナンスは昨年、オーストラリアでのライセンス取得を目指して、子会社バイナンス・オーストリアGmbHを設立したといわれている。
暗雲立ち込めるバイナンスの欧州への市場拡大
なおバイナンスは6月23日、ベルギーの金融規制当局FSMA(Financial Services and Markets Authority)より、暗号資産取引とカストディウォレットサービス提供を即時停止するよう命じられている。
バイナンスの英国部門であるバイナンスマーケッツリミテッド(Binance Markets Limited)は5月、英国にて事業を行うためのライセンス申請を取り消している。
またバイナンスは6月、キプロス共和国における暗号資産サービスプロバイダーとしての登録抹消を申請。同月16日には、オランダにて暗号資産サービスプロバイダー(VASP)ライセンスを取得できなかったため、同国の市場から撤退することを発表していた。
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参考:FINANCE FWD
デザイン:一本寿和
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