イーサリアム開発者、バリデーターのステーキング上限を32ETHから引き上げ提案

イーサリアムバリデーターのステーキング上限引き上げ提案

イーサリアム(Ethereum)の1バリデーターあたりのETHステーキング上限の引き上げが検討されている。6月16日に行われた開発者会議「Consensus Layer Meeting 111」にて議題にあがった。

なお同会議は、イーサリアムのノードクライアントであるコンセンサス層(Consensus Layer)についての議論するために行われた。

今回はイーサリアムの次期大型アップグレード「デンクン(Dencun)」のうちコンセンサス層のアップグレード「デネブ(Deneb)」の内容が決定。なお実行層のアップグレード「カンクン(Cancun)」の内容については、6月8日に開かれた会議で決定している。

イーサリアムではフルバリデーターとなるために32ETHをステーキングする必要がある。また1バリデーターあたりのステーキング額の上限は必要額と同様に32ETHである。

なお今回提案されたのは、32ETHから2048ETHまで64倍の引き上げ。ただし最小ステーキング額は引き続き32ETHとなる。

ステーキング上限が32ETHに設定されていることは、バリデーターの数を増やし分散性を向上させることに貢献している。しかし、ステーキング報酬は受け取るたびにノードに紐づいたアドレスとは別のアドレスに送金する必要があることや、大量のノードを管理する手間がかかりすぎてしまうという問題がある。

ステーキング上限の引き上げは、イーサリアムの主要な開発者の一人であるマイケル・ノイダー(Michael Neuder)氏によって提案されたもの。同氏によるとこの変更は、最終的に単一のイーサリアムスロット内でファイナリティを行えるようになり、ネットワークの効率を向上するメリットがあるという。

しかし、二重認証や二重提案が発生した際に罰金を科す機能「スラッシュ」で科せられる罰金が高額になってしまい、意図的でない場合にも大きな損失を生む可能性があるというリスクを抱えており、引き続き議論が進められている状況だ。

ちなみに現在のイーサリアムのバリデーター数は約62万あり、全体では約1980万ETHがステーキングされている。

関連ニュース

参考:Consensus Layer Meeting 111 
デザイン:一本寿和

images:iStocks/ra2studio

関連するキーワード

この記事の著者・インタビューイ

田村聖次

和歌山大学システム工学部所属 格闘技やオーケストラ、茶道など幅広い趣味を持つ。 SNSでは、チェコ人という名義で、ブロックチェーンエンジニアや、マーケターとしても活動している。「あたらしい経済」の外部記者として記事の執筆も。

合わせて読みたい記事

【11/21話題】ビットコイン9万6000ドル突破、ホワイトハウス初の暗号資産ポスト新設検討かなど(音声ニュース)

ビットコイン9万6000ドル突破、トランプの政策に期待、トランプ陣営、ホワイトハウス初の暗号資産ポスト新設を検討か=報道、アスター、新ロードマップ「Astar Evolution Phase 1.5」発表、ASTRがオプティミズムスーパーチェーン進出へ、オンチェーン分析のArkham、米国で暗号資産の現物取引所立ち上げへ、コインベースウォレットが「USDC Rewards」導入、保有だけでAPY4.7%、韓国最大の野党、暗号資産課税の免除額引き上げの改正案を提出=報道、FTX元幹部ゲイリー・ワン、暗号資産詐欺事件で実刑を免れる、韓国大手の暗号資産取引所Upbit、「ジャスミーコイン(JASMY)」取り扱い、コインベースにミームコイン「Floki(FLOKI)」上場へ、ジェミナイ、フランスで正式にサービス展開、ビットフィネックス証券、エルサルバドルで「トークン化米国債券」提供へ、21シェアーズ、「Ethereum Core ETP」にステーキング機能追加、EVM互換のL1ブロックチェーン「Monad」、テストネットを段階的に公開へ、1SECと丸井グループが資本提携、ブロックチェーン活用の新しいファンエンゲージメントモデル構築で

広告