リップル社とコロンビア中銀ら、ブロックチェーン技術の啓蒙兼ねた試験運用実施へ

リップル社とピアシストがコロンビア中銀と提携

米フィンテック企業のリップル(Ripple)社とスペインのブロックチェーン関連企業ピアシスト(Peersyst Technology)が、コロンビアの中央銀行であるコロンビア共和国銀行(Banco de la República)と提携し、ブロックチェーン技術の試験運用を行う。リップル社が6月15日発表した。

この試験運用では、「コロンビアの高額決済システムを強化するためのユースケースを試行する」という。なお同試験運用は、2023年末まで実施される予定だ。

同試験運用は、コロンビア中央銀行と情報通信技術省(MinTIC)がリップル社の「CBDCプラットフォーム」上で行う。なお主導するのはMinTICのデジタル政府総局だ。

リップル社は今年5月、中央銀行デジタル通貨(CBDC)とステーブルコインを開発するためのプラットフォームである「CBDCプラットフォーム」を発表。同プラットフォームへは、分散型台帳技術「XRPレジャー(XRP Ledger:XRPL)」で使用されているものと同じブロックチェーン技術が採用されているとのことで、その堅牢性が強調されていた。

ブロックチェーン技術の有用性の啓蒙目指す

リップル社は発表にて試験運用の目的を、「ブロックチェーン技術の比類ないスピード、拡張性、透明性が、決済システムやデータ管理にどのような革命をもたらすかを、対話的かつ協力的な実世界での応用実験を通じて、国や地域の公共団体に啓蒙すること」だと伝えている。

マウリシオ・リスカノ(Mauricio Lizcano)ICT大臣は、「ブロックチェーン技術を用いたソリューションの開発で得られた結果を通じて、潜在的な効率性を評価することができ、安全かつ効率的な方法で事業体のプロセスを改善・補完することができる。さらに、技術的なソリューション(プロトタイプ)を提供することで、高額決済システムにおけるさまざまなユースケースのシミュレーションが可能になる」とコメントした。

またリップル社は、ここ最近、他の中央銀行との契約も獲得している。

4月11日には、リップル社がモンテネグロ中央銀行(CBCG)と提携し、CBDCのパイロット版開発を行うことが発表されていた。

関連ニュース

参考:リップル(提携の発表)リップル(CBDCプラットフォームの発表)
images:iStocks/Alex-Sholom

この記事の著者・インタビューイ

髙橋知里

「あたらしい経済」編集部 記者・編集者

合わせて読みたい記事

【9/6話題】テレグラムCEOが逮捕後初の声明、トランプが米国を「暗号資産とBTCの世界的中心地」にすると宣言など(音声ニュース)

テレグラムCEO、逮捕後初の声明発表。同社使命に同意できない国からは撤退の意志も、トランプ、米国を「暗号資産とBTCの世界的中心地」にすると宣言。イーロンマスクと共に米政府財務監査行う姿勢も、スイ(SUI)、機関投資家向け米ドルステーブルコイン「AUSD」利用可能に、モジュラーブロックチェーン「Elixir」、最終テストネット公開、EigenLayer、メジャーアップデート「アイゲンポッドアップグレード」導入、FlowがEVM対応開始、メタマスクでも利用可能に、TONブロックチェーン、総トランザクション数が10億件を突破、半数は3か月、Penpieで27Mドルの不正流出、Pendleは105Mドルの保護に成功

広告

暗号資産決済Mercuryoがマルチチェーンデビットカード提供開始、マスターカードと提携で

暗号資産(仮想通貨)決済プラットフォーム「マーキュリョ(Mercuryo)」が決済大手の米マスターカード(Mastercard)と提携し、ノンカストディアル型のウォレットから暗号資産を直接使えるマルチチェーンデビットカード「スペンド(Spend)」の提供開始を9月5日発表した