暗号資産交換業者に規制を設ける方針へ転換か
ロシア政府は、以前より計画していた国営の暗号資産(仮想通貨)取引所の設立を断念し、同国の複数取引所が実験的な法制度内で運営することを支持するようだ。地元紙イズベスチヤが国家議会議員アナトリー・アクサコフ(Anatoly Aksakov)氏の証言をまとめるかたちで5月29日報じた。
アクサコフ氏によれば、ロシア議員らは、国営の暗号資産取引所設立の計画を断念したという。その代わりに、ロシアは現在、取引プラットフォーム作成・管理のための規制を策定したいと考えているとのこと。
なお、ロシア財務省は、国営の暗号資産取引所設立計画を支持しなかった当局の1つであると伝えられている。
ロシア議会の下院が国営の暗号資産取引所の設立へ向けて準備を進めていることは、昨年11月23日に報じられていた。また一部報道でロシア財務省と中央銀行は、国際決済における暗号資産の利用を合法化する動きを進めていると伝えられていた。
国際決済が法案に組み込まれる可能性も
下院の金融市場委員会も率いるアクサコフ氏は、暗号資産取引所によってロシアの企業はクロスボーダー取引も可能になると指摘。つまり暗号資産取引所においては、ロシアの企業が経済制裁を回避することも可能になるため、新たな規制が導入される可能性が高いとした。
アクサコフ氏は、こういった規制に対し、新しい取引プラットフォームや組織は作られ続けるだろうと推測。大切なのはそのプロセスを規制することだという考えを示している。
また同氏はロシア中央銀行が規制当局になる可能性が高いことも示唆。関連する規制枠組みは、実験的な法制度に関する法案に組み込まれる予定であることも明かしている。
ロシア銀行のアレクセイ・グズノフ(Alexey Guznov)副総裁は、従来の意味でロシアにおける暗号資産取引所について語るのはまだ時期尚早であると強調。
同氏は「おそらく、暗号資産取引所は輸出業者と輸入業者の間のやり取りや、デジタル通貨によるクロスボーダー決済を支援する組織になるだろう」とし、例として、暗号資産取引所はロシア企業が並行輸入品の代金を支払う手助けになり得ると指摘している。
地元事業者はこの考えを支持
ロシアの暗号資産関連事業者は、ロシアの複数取引所が実験的な法制度内で運営される取り組みを支持しているという。
エコマイニングなどを行うビットリバー(BitRiver)のオレグ・オジエンコ(Oleg Ogienko)氏は、初期段階においては不適格な投資家へのサイト制限も必要だとし、ロシア参入を目指す海外の取引所においては、ロシアユーザーに関する情報のセキュリティと秘密保持に関連する要件を含んだ特別な規制が必要だとの考えを示している。
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参考:イズベスチヤ
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