奈良の日本酒「水端」、ブロックチェーンで不正流通を防ぐ。SBI「SHIMENAWA」導入で

日本酒「水端」が「SHIMENAWA」導入

SBIトレーサビリティが提供するブロックチェーントレーサビリティサービス「SHIMENAWA(しめなわ)」が、奈良県の油長(ゆうちょう)酒造に採用されたことが5月30日発表された。

同サービスの導入は、油長酒造の「水端(みづはな)」ブランドの水端1568(mizuhana 1568)から順次開始していくとのこと。なお水端1568は、戦国~江戸初期の興福寺多聞院院主の日記「多聞院日記(たもんいんにっき)」に記された技法を参考にした冬季醸造3段仕込みの日本酒とのこと。

なお今後は、油長酒造の代表銘柄「風の森(かぜのもり)」や、御酒之日記(ごしゅのにっき)に記された菩提山正暦寺(ぼだいさんしょうりゃくじ)の技法を参考にした夏季醸造0段仕込み「水端1355」にも「SHIMENAWA」の導入を進めていくとのことだ。なお御酒之日記は、秋田藩佐竹家に伝わっていた日本最初の民間の酒造技術書である。

「SHIMENAWA」は日本酒の不正な流通を防ぐことを目的に、日本酒の「真贋証明」や「開封検知」、「日本酒のストーリー可視化」などを提供するソリューション。米R3社開発のエンタープライズ向けブロックチェーン基盤「Corda(コルダ)」とサトーのNFC/RFID技術のデジタルペアリングが活用されている。

「SHIMENAWA」の「真贋証明」機能により日本酒を購入する顧客に蔵元として本物を届けるという責任を果たすことができ、顧客からさらなる信頼性の向上が期待できるとのこと。

また「開封検知」機能では、その銘柄が「いつごろ」、「どこで」、「どのくらい」消費されたかのデータを取得できるという。そしてそのデータは、蔵元には経営への活用をしてもらう他、顧客には購入した特別な日本酒の希少性をさらに高めるといった新たな価値の提供が可能になるとのことだ。

なお「SHIMENAWA」は、福井県の加藤吉平商店が提供する「梵」や宮城県の新澤醸造店が提供する「零響(れいきょう) – Absolute 0 -」などのプレミアムラインといった日本酒などに採用がされている。

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参考:SBIトレーサビリティ
デザイン:一本寿和
images:iStocks/uzuru-Gima

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この記事の著者・インタビューイ

大津賀新也

「あたらしい経済」編集部 記者・編集者 ブロックチェーンに興味を持ったことから、業界未経験ながらも全くの異業種から幻冬舎へ2019年より転職。あたらしい経済編集部では記事執筆の他、音声収録・写真撮影も担当。

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