Hotbitが取引所を閉鎖へ
海外暗号資産(仮想通貨)取引所ホットビット(Hotbit)が、5月22日UTC04:00(日本時間で同日13:00)をもってすべての取引所業務を停止することを発表した。
同社は全ユーザーに対し、6月21日UTC04:00(日本時間で同日13:00)までに残りの資産を引き出すよう説明している。
取引所閉鎖の理由
ホットビットは取引所閉鎖の理由を3つ挙げている。
1つ目は「経営悪化」だ。同社は昨年8月、元社員を刑法違反の疑いで調査された影響により、法執行機関より一部資金を凍結され、数週間の営業停止を余儀なくされた。なおホットビットはこの捜査に協力。ホットビットは、捜査対象となった元社員が関与したとされるプロジェクトへの関与及び認識を否定している。
その後、暗号資産業界ではFTXの崩壊や銀行危機から発生したUSDTのディペグなど様々な問題が発生。これにより、ホットビットのような中央集権型取引所(CEX)を利用していたユーザーからの資金流出が続き、キャッシュフローが悪化したという。
2つ目の理由として、「暗号資産業界の動向の変化」が挙げられた。
ホットビットは、中央集権的な大規模機関の相次ぐ倒産により、暗号資産業界が「規制を受け入れる」か「より分散化されたビジネスモデルに移行する」かの2つのやり方に変化していると述べ、「中央集権型取引所のビジネスは複雑化しており、コンプライアンスにせよ分散型の運営方式にせよ、(同社が)長期的なトレンドに対応することは困難だと考えている」と閉鎖の理由を説明した。
そしてホットビットは3つ目の閉鎖理由として、「度重なる大きな損失」を挙げている。
ホットビットは、業界の不透明さによって引き起こされる問題や特定の暗号資産に対する高いリスクなどを指摘。今までに、度重なるサイバー攻撃や悪意あるユーザーによるプロジェクトの不具合の悪用など数々の問題に見舞われ、大きな損失を出したことも明かしている。
こういったことを踏まえホットビットは、多様な暗号資産をサポートする同社の運営モデルについて、リスクマネジメントの観点においても「持続不可能」だと伝えている。
ホットビットは、2018年に設立された暗号資産取引所だ。公式サイトによると、210以上の国と地域から700万人以上の登録ユーザーがいるとのこと。
ホットビットは、シバイヌ(SHIB)、クサマ(KSM)、グリン(GRIN)など数多くの新しい暗号資産の早期上場、コスモス(ATOM)をはじめとしたステーキングサービスや、コンパウンド(Compound)を用いたDefiマイニング事業をいち早く導入していた。
ホットビットは声明にて5年4カ月間の感謝を伝え、「私たちは今でも暗号資産のイノベーションについての明るい未来を信じ、一部の人間は依然としてそのために闘志を燃やすことだろう」と締めくくった。
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参考:HOTBIT