10億ドル超の評価額望むとも
暗号資産(仮想通貨)投資企業ハッシュキー(HashKey Group)が、香港のデジタル資産推進の動きを受け、資金調達を計画しているようだ。ブルームバーグが関係者の話をまとめる形で5月19日報じた。
報道によれば、ハッシュキーは1~2億ドル(約137.5億~275億円)の資金調達へ向け、初期段階の話し合いを行っているとのこと。同社は10億ドル(約1375.8億円)を超える評価額で資金調達を行いたいと考えているという。しかし関係者は、投資規模や評価額等の条件は未確定であるため変更される可能性もあると付け加えたとのこと。
ハッシュキーはブルームバーグの問い合わせに対し、コメントを控えているとのことだ。
香港拠点のハッシュキーは、暗号資産関連分野への投資やブロックチェーン技術の導入を支援している企業だ。また、取引所「ハッシュキープロ(HashKey PRO)」も展開している。
4月12日には同プラットフォーム用のネイティブトークン「HSK:HashKey EcoPoints」を発行することを発表。「HSK」トークンは、ハッシュキープロをはじめとした、ハッシュキーエコシステムでの利用報酬として配布される予定だ。
香港のライセンス制度について
香港は、暗号資産取引所などの暗号資産サービスプロバイダー(VASP)に対する新たなライセンス制度を導入する法案を昨年12月7日に可決。法律が施行されるのは2023年6月1日からで、VASPは香港証券先物委員会(SFC)にライセンスを申請する必要がある。
ハッシュキーの投資実績
ハッシュキーのベンチャー投資部門であるハッシュキーキャピタル(HashKey Capital)では、2018年の創業以来、ブロックチェーンおよび暗号資産企業のあらゆるステージで投資を行っており、顧客資産10億ドル以上を運用してきたという。
これまでの投資実績は、コスモス(Cosmos)、コインリスト(Coinlist)、アズテック(Aztec)、ブロックデーモン(Blockdaemon)、dYdX、アニモカブランズ(Animoca Brands)、マスクネットワーク(Mask Network)、ポルカドット(Polkadot)など。
また同社のファンドは、暗号資産など新興市場における機会の増大に焦点を当て、世界的に優れた暗号資産およびブロックチェーンのイニシアチブを推進するために資本投入していく方針だという。特に暗号資産領域のインフラ、ツール、アプリケーション領域に投資していくとのことだ。
関連ニュース
- HashKeyがトークン「HSK」発行、ステーキング報酬や手数料割引に活用
- 【取材】HashKey Capital、約640億円規模の暗号資産ファンドをクローズ
- OKX、香港法人を設立し暗号資産ライセンス申請へ
- 香港、個人投資家の暗号資産取引解禁およびVASPライセンス制度を含む規制案公開
- 香港が暗号資産取引所などVASPのライセンス制度導入へ、来年6月より