コインベースの請願書は「却下されるべき」
米証券取引委員会(SEC)は、米大手暗号資産(仮想通貨)取引所コインベース(Coinbase)の請願書に応答する必要はないと考えているようだ。SECが5月15日に裁判所へ提出した資料にて明らかとなった。
資料の中でSECの弁護士は「証券法も行政手続法も、コインベースの要求する[デジタル資産]に関する広範な新規制を発行する義務をSECに課していない」と回答している。
また「SECによる規制措置をより迅速に、あるいは異なったものにしたいというコインベースの要望は、同裁判所から特別な救済措置を与えられるものではない」とし、「請願は却下されるべきだ」とも述べている。
法廷で正式に見解を説明したことは初
この回答を受け、コインベースの最高法務責任者であるポール・グレワル(Paul Grewal)氏は自身のツイッターにて、「本日の提出書類は、SECが暗号資産業界のルールを作成すべきかどうか、またどのように作成すべきかについて、SECが法廷で正式に見解を説明した初めてのケースとなるかもしれない」とコメント。
またグレワル氏は、SECが裁判所に対し「ルール作りには何年もかかる可能性があり、急ぐ必要はない」と述べたことに触れ、SECはルール制定の代わりに、当面の間、強制執行を行うことを認めたと指摘。「SECの回答は全体的に、SECの規制が何をもって管轄内・管轄外とみなすのかが不明確であり、途中で考えを変え続ける恐れがあるという、コインベースが長年感じていた懸念をより強めるものだった」と続けた。
コインベースの請願書
コインベースは昨年7月21日、SECに対し「デジタル資産証券規制に関する規則制定を求める請願書」を提出。この請願書でコインベースは、デジタル資産証券に関する規則を提示して採択するようにとSECに要求。またコインベースは「デジタル資産証券規制上の取り扱いについて明確性と確実性」を提供するための50項目の具体的質問に対する回答もSECへ求めている。
応答するよう裁判命令も
SECはこの請願書に対し、約9カ月もの期間対応していなかった。 この事態を受けコインベースは4月24日、SECに対して請願書への回答を行わせるために行政手続法を発動するよう、連邦裁判所に要請。裁判所は5月4日、SECに対し請願書に10日以内に応答するよう裁判命令を下していた。
Today the SEC responded to Coinbase’s petition for a writ of mandamus — asking the court to require the SEC to respond just yes or no to whether it will undertake rulemaking for our industry. The SEC’s answer? A resounding maybe. 1/7
— paulgrewal.eth (@iampaulgrewal) May 16, 2023
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参考:提出資料
images:Reuters