リキッドステーキング「Lido」、ガバナンス投票可決でV2へアップグレード完了

LidoがV2へアップグレード

リドファイナンス(Lido Finance)が提供するリキッドステーキングプロトコル「リド(Lido)」が、コミュニティでのガバナンス投票の可決により、新バージョン「Lido v2」へとプロトコルを5月16日にアップグレードした。

リドは4月13日に実施されたイーサリアム(Ethereum)の大型アップグレード「シャペラ(Shapella:Shanghai/Capella)」に合わせて、新バージョン「リドV2(Lido V2)」をリリースする計画を今年2月に発表していた。なお「リドV2」は5月13日に開始された「投票♯156」が同月16日に可決されたことによりアップグレードされた。

「シャペラ」はイーサリアムのステーキングを解除できるようにするアップグレードだ。これに合わせ「リドV2」では、ユーザーがステーキングを解除し出金(アンステーク)できる機能が実装された。これによりステーク開始から最短で、おおよそ5日と14時間後にはアンステークできるようになったとのことだ。

リキッドステーキングとは、プルーフオブステーク(PoS)を採用するブロックチェーンにおいてステーキングを行う際に、ロックした資産と「1:1」の割合で価値が担保されているトークンを発行することで、ロックされた資産に疑似的な流動性を与えることができるようになるサービスだ。

「リド」では、イーサリアムのステーキングと引き換えに「stETH」と呼ばれるトークンを発行している。ユーザーは付与された「stETH」でDeFi(分散型金融)を利用して再度ETHに交換できる他、「stETH」をレンディングなどで運用を行えば利回りを得ることも可能だ。今回のアップグレードによりさらに「stETH」を直接ETHに戻すことも可能になったというわけだ。

リキッドステーキングプロトコルは「シャペラ」アップグレード以降、参入障壁がさらに小さくなり市場から注目を集めている。リドファイナンスのガバナンストークンである「LDO」トークンは暗号資産全体の相場が低迷しているにもかかわらず、5月8日から15日の1週間で20パーセント以上上昇した。

なお「リド」ではイーサリアムの他にもポリゴン(Polygon)、ソラナ(Solana)のリキッドステーキングを提供しており、それぞれにおいてstMATIC、stSOLを発行している。

またポルカドット(DOT)およびクサマ(KSM)の対応もしていたが、リドファイナンスのパートナーであるDeFi(分散型金融)アプリ開発会社「ミックスバイツ(MixBytes)」が「リド」における両銘柄のサポートを終了することを3月15日に発表している。

同日よりDOTとKSMの「リド」への入金は終了しており、6月22日にはステーキングが自動的に解除。8月1日に正式にサービスが終了する予定になっている。

関連ニュース

参考:リド
デザイン:一本寿和

この記事の著者・インタビューイ

田村聖次

和歌山大学システム工学部所属 格闘技やオーケストラ、茶道など幅広い趣味を持つ。 SNSでは、チェコ人という名義で、ブロックチェーンエンジニアや、マーケターとしても活動している。「あたらしい経済」の外部記者として記事の執筆も。

合わせて読みたい記事

【11/22話題】SECゲンスラー委員長が退任へ、金融庁が暗号資産・ステーブルコイン仲介業の新設検討など(音声ニュース)

米SECゲンスラー委員長が来年1月に退任へ、功績評価の一方で反発や批判も、金融庁、暗号資産・ステーブルコイン仲介業の新設検討=報道、国民・玉木代表が税制改正要望を与党に提出、暗号資産への申告分離課税導入など提案、米裁判所、SECの「ディーラー」定義めぐる訴訟で関連規則を破棄するよう命じる、リミックスポイントが5億円でBTC・DOGE・XRP購入、投資総額30億円に、マスターカードとJPモルガン、ブロックチェーン決済ソリューションを連携 、コインベースが「WBTC」取扱い廃止へ、背景にジャスティン・サンの影響か、2019年のアップビットのハッキングは北朝鮮ハッカー関与か、韓国警察が特定、米ドルステーブルコイン「FDUSD」、スイに対応開始、Injective、オンチェーンAIエージェントSDK「iAgent」リリース

広告

ビットワイズ、「ソラナ現物ETF」を上場申請

米暗号資産(仮想通貨)運用会社ビットワイズ(Bitwise)が、ソラナ(Solana)を基盤とするETF(上場投資信託)の上場申請を、米国証券取引委員会(SEC)に提出したと11月21日発表した。なおこの申請は、株式取引所シーボーBZX取引所(Cboe BZX exchange)を通じて行われたとのこと。またビットワイズは発表上で同商品についてETP(上場取引型金融商品)と記載している