大部分はBTCとETH
米決済大手ペイパル(PayPal)が、10億ドル(約1353.7億円)近くの暗号資産(仮想通貨)を保有していることが、米証券取引委員会(SEC)に提出された四半期報告書によって明らかとなった。
その報告書によればペイパルは、2023年3月31日時点で合計9億4300万ドル(約1276.5億円)の暗号資産を保有していることが確認できる。この数字は同社の前四半期と比べて56%増加した恰好だ。
なおペイパルが保有している暗号資産の大部分はビットコイン(BTC)とイーサリアム(ETH)であり、BTCが4億9900万ドル(約675.5億円)、ETHが3億6200万ドル(約490.5億円)とのことだ。残りはビットコインキャシュ(BCH)、ライトコイン(LTC)で形成されている。
なおペイパルがこの四半期に報告した金融負債総額は12億ドル(約1624.6億円)で、内77.9%が暗号資産のものだという。
またペイパルは、暗号資産には「関連する特有のリスク」があることを認識しており、同社が保有する暗号資産については「保護負債」とみなしているとのこと。「保護負債」は、米国の上場企業が暗号資産を保有する場合に適応される財務諸表の報告ルールだ。具体的には、事業体が暗号資産を保有する場合、それと同額の現金などを準備して財務諸表に負債計上する必要があると規定されているとのことだ。
なお同社が保有する特定の暗号資産は、前四半期から変化していないことも記されている。
またペイパルは、サードパーティが取引を処理できなくなった場合に顧客に責任が生じることも認識している。この声明内容は前四半期の提出書類から変わらないが、今回の提出書類では、そういった障害はまだ発生していないことも報告されている。
ペイパル傘下のモバイル決済アプリ「ベンモ(Venmo)」は4月28日、暗号資産の送受信機能を新たに追加することを発表。「ベンモ」では2021年4月より暗号資産の売買および保管の機能を導入している。他にも同年11月に「ベンモ」のユーザーが暗号資産の価格をリアルタイムで追跡できる価格アラート機能が追加されていた。
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参考:提出書類
デザイン:一本寿和
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