英国歳入関税庁、DeFiステーキングとレンディングに関する税務政策協議を開始

専門家からの意見募る

英国政府は、DeFi(分散型金融)のステーキングとレンディング(融資)に対する新たな税制導入に向けての検討材料を集めているようだ。

英国歳入関税庁(HM Revenue & Customs)から4月27日に提出された「暗号資産の融資やステーキングを含む分散型金融の課税について:The taxation of decentralised finance (DeFi) involving the lending and staking of cryptoassets」の提案で明らかとなった。

その提案書によれば政府は、DeFiレンディングとステーキングの税務上の取り扱いを改定することについて意見を求めているという。

またこの協議の意図は、DeFiでのレンディング・ステーキング取引で使用される暗号資産の課税を、根本的な経済的実体とより整合させるとともに、利用者の管理負担を軽減する体制を構築するためだという。

またこの提案書には「この変更案では、DeFi取引における暗号資産の利用は、税務上の処分が発生するものとして扱われなくなる予定。その代わり、暗号資産がDeFi以外の取引で経済的に処理された場合、税務上の手続きが発生する」と記されている。

なお同提案への意見の募集対象となるのは、投資家、専門家、テクノロジーおよび金融サービス企業、業界団体、学術機関及びシンクタンク、法律事務所、会計事務所、税理士事務所などDeFi活動に従事する企業とのこと。2023年6月22日23時45分(現地時間)まで受け付けているとのことだ。

英政府、暗号資産の収入申告を追加

英国の納税者は納税申告書に暗号資産で得た利益を個別に記載し、報告することが義務づけられることが、3月15日に公開となった年次予算で明らかとなっている。

報告が義務付けられるのは2024-25年度の申請書からとのこと。政府はこれにより、年間で1000万英ポンド(約16.6億円)の税収増を見込んでいるという。

英国の暗号資産課税状況

英国は暗号資産による12300ポンド(約200万円)未満のキャピタルゲインには非課税としており、課税枠についても税率は10%となっている。また英国歳入関税局は2022年初頭に脱税への措置として初めてNFTの押収を実施している。

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参考:英国政府
デザイン:一本寿和
images:iStock/Alex-Sholom

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この記事の著者・インタビューイ

髙橋知里

「あたらしい経済」編集部 記者・編集者

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