バイナンス、イーサリアムのリキッドステーキングトークン「WBETH」発行へ

バイナンスが「WBETH」発行へ

大手暗号資産(仮想通貨)取引所バイナンス(Binance)が、イーサリアム(Ethereum)ベースのリキッドステーキングサービス用のトークン「ラップドビーコンイーサ(WBETH:Wrapped Beacon ETH)」を発行することを4月24日に発表した。

バイナンスは2020年12月からリキッドステーキングサービスを提供し、イーサリアム2.0のステーキングに対応する「BETH」を発行していた。

「BETH」はバイナンスを経由して、イーサリアム2.0のステーキングに参加したユーザーに発行されたトークンだ。「BETH」はバイナンスのスポットウォレットの「BETH」保有量に基づいて、イーサリアムネットワークから「BETH」の形でステーキング報酬が受け取れる。

今回発行される「WBETH」は、この「BETH」をラップしたトークンだ。「WBETH」を利用することでバイナンスが提供するリキッドステーキングの報酬を得ながらDeFi(分散型金融)での運用が可能だ。

また「WBETH」では、ETHステーキングサービスのその日のAPR(年換算利回り)に従って、イーサリアムネットワークからステーキング報酬を「WBETH」の価格の増減という形で毎日獲得できる。

イーサリアムは4月13日に大型アップグレード「シャペラ(Shapella:Shanghai/Capella)」を実施し、ステーキングされていた「ETH」を引き出せるようにした。これを受け、リキッドステーキングプロトコル側も資金を引き出すことを可能にした。

なおバイナンスも他のリキッドステーキングプロトコルと同様に「シャペラ」の実施を受け、「BETH」の「ETH」への償還を受け付け開始している。

「WBETH」はイーサリアムブロックチェーンとBNBチェーン上で発行されることが分かっており、4月27日8:00(UTC:日本時間同日17:00)から利用可能になる予定だ。「WBETH」が利用可能になった時点では「BETH」と1:1で交換可能だが「WBETH」の価値は、「ETH」のステーキング報酬によって増減するため、交換率が変更される可能性があるとのことだ。

なおリキッドステーキングとは、ステーキングによりロックした資産と「1:1」の割合で価値を担保したトークンを新たに発行することで、ステーキングに参加し利回りを得ながらも、発行したトークンによる運用を可能にするサービスだ。

またステーキングとは、「バリデーター」と呼ばれる「データの検証・承認を行う処理主体」が、暗号資産の生成やブロックチェーンの安定稼働を支える対価として暗号資産を受け取れる仕組みである。なおステーキングは、コンセンサスアルゴリズムの「PoS(プルーフオブステーク)」を採用するブロックチェーンで実行が可能となっている。

コンセンサスアルゴリズムとは、暗号資産のブロックを追加する際の合意形成のアルゴリズムのことだ。

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参考:バイナンス
images:iStocks/kuremo

この記事の著者・インタビューイ

田村聖次

和歌山大学システム工学部所属 格闘技やオーケストラ、茶道など幅広い趣味を持つ。 SNSでは、チェコ人という名義で、ブロックチェーンエンジニアや、マーケターとしても活動している。「あたらしい経済」の外部記者として記事の執筆も。

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