コインベースがバミューダでの営業ライセンス取得
米大手暗号資産(仮想通貨)取引所コインベース(Coinbase)が、バミューダ通貨庁からライセンスを取得したことを4月19日発表した。これによりコインベースは、英国海外領土バミューダ諸島においてデジタル資産ビジネスを運営出来るようになったとのこと。
なおこの発表でコインベースは、アラブ首長国連邦アブダビの金融規制当局ともライセンス取得の可能性について協議中であることを述べている。
またフォーチューン誌によると、コインベースは早ければ来週にもバミューダにて暗号資産デリバティブ取引所を立ち上げる予定だと同社に近い人物の話を引用する形で報じている。
この報道についてロイターは、コインベースの広報担当者へ20日に取材。担当者は「今回のライセンス取得を通じてサービスを提供する当社の計画について、現在発表することは何もない」と答えた。
さらにバミューダの規制当局は、営業時間外に送ったコメントの要求に対してすぐに返答をしてこなかった。
暗号資産のデリバティブ取引は、ビッグビジネスである。英ロンドンの調査会社CCDataによると、3月の主要取引所におけるデリバティブ取引量は約2.8兆ドル(約375兆円)に達したという。なおスポットの取引量は1兆ドル(約133兆円)に過ぎない。
コインベースのCEOであるブライアン・アームストロング(Brian Armstrong)氏は18日、米国と英国が暗号資産のための「規制に関する明確さ」を作らない限り、暗号資産関連会社は「オフショア」ヘイブン(海外回避地)で発展すると述べた。
米国の規制当局と法執行機関は、2022年に起きた一連の業界大混乱を受け、今年に入ってから暗号資産関連企業に対する措置を強化している。今年3月には米国証券取引委員会(SEC)が、特定の製品についてコインベースを訴えると脅した。
米SECのゲイリー・ゲンスラー(Gary Gensler)委員長は18日、議員に対し「これほど法律を遵守していない分野は見たことがない」と暗号資産業界について述べた。
暗号資産関連企業は規制の明確化が必要だと言われている。しかしゲンスラー氏は、暗号資産市場について「規制の明確化ではなく、規制遵守の欠如に苦しんでいる」と述べている。
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※この記事は「あたらしい経済」がロイターからライセンスを受けて編集加筆したものです。
U.S. crypto exchange Coinbase secures Bermuda licence
Reporting by Elizabeth Howcroft; additional reporting by Tom Wilson; editing by Jason Neely
翻訳:大津賀新也(あたらしい経済)
images:Reuters