EU議会でMiCAが可決、資金移動に関する新法も承認

EU議会でMiCAが可決

EU議会が、暗号資産市場規制法案(MiCA/マイカ)を可決したことを4月20日発表した。

発表によれば、MiCAは賛成517票、反対38票で可決されたという。なお棄権は18票だったとのことだ。

MiCAは、EU(欧州連合)の暗号資産(仮想通貨)サービスプロバイダーに向けて包括的な暗号資産市場規制を示す法案である。2020年9月に原案が提出され、2022年6月に欧州理事会にて暫定合意に達し、その後立法化が進められていた。

また今回の合意文書には、市場操作に対する対策・マネーロンダリング・テロ資金調達・その他の犯罪行為を防止するための対策が盛り込まれているという。

EU議会によれば、マネーロンダリングのリスクに対抗するため、欧州証券市場庁(ESMA)は、認可なくEUで活動する非準拠の暗号資産サービスプロバイダーの公的登録簿を設けるべきだとしている。

なお暗号資産関連メディア「ディクリプト」の報道によれば、MiCAはすぐに発効するわけではないようだ。欧州理事会で承認された後に、正式にEU法として成立するという。その後、ESMAが規制の適用方法の詳細に関するガイダンスを作成する予定とのこと。

最終的にMiCAは、2024年に法律として制定される見込みだ。

資金移動に関する新法も承認

またEU議会は、暗号資産関連業者に対してユーザーの暗号資産の移動追跡を義務付ける法案「資金移動規制」も賛成529票、反対29票、棄権14票で承認した。

この法案はMiCAとは別の法案で、2022年6月にEU議会と欧州理事会の交渉担当者が暫定的に合意していたものだという。暗号資産の送金を常に追跡し、マネーロンダリング等の不正取引を阻止することを目的としている。

なおこの法案は、個人ユーザーの暗号資産ウォレットアドレスが、暗号資産サービスプロバイダーの管理するホストウォレットとやり取りする際の1000ユーロを超える取引も対象になる予定とのこと。

なおプロバイダーを介さずに行われる個人間送金や、プロバイダーが自ら代理で行う個人間送金には適用されないとのことだ。

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参考:欧州議会
デザイン:一本寿和
images:iStock/Roman-Barkov

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この記事の著者・インタビューイ

髙橋知里

「あたらしい経済」編集部 記者・編集者

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