ステートレスzkRollup「Intmax」、シードラウンドで6.5億円の資金調達

Ryodan Systemsがシードラウンドで6.5億円の資金調達

ステートレスzkRollupプロジェクト「Intmax(イントマックス)」を開発するRyodan Systems(リョダンシステムズ)が、シードラウンドによる6.5億円の資金調達完了を4月13日発表した。

「Intmax」は、日本人起業家の日置玲於奈氏および藤本真衣氏がCo-Founderを務めるプロジェクトである。

今回のラウンドには、HashKey Capital(ハッシュキーキャピタル)やB Dash Ventures(Bダッシュベンチャーズ)、Mask Network(マスクネットワーク)、East Ventures(イーストベンチャーズ)、MZ Web3 Fund、Tané(タネ)、Hyperithm(ハイパーリズム)、Alchemy Ventures(アルケミーベンチャーズ)など多くの投資家が出資参加しているとのことだ(全投資家下記参照)。

またRyodan Systemsは今回のリリースにて今後のロードマップも発表している。「Intmax」は2023年第2四半期にイーサリアムメインネット上で試験運用開始。また同年第4四半期には「Intmax」のメインネットローンチをし、自由なバリデーター/マイナーの参加を可能にするとのこと。さらにメインネットローンチ初日からシーケンサー(順番を制御するコントローラー)の分散化を行うとのことだ。

zkRollup(zkロールアップ)とは、暗号技術を利用した証明技術「ゼロ知識証明(zero-knowledge proof:zkp)」活用のロールアップのこと。ロールアップは、元となるブロックチェーンのセキュリティなどを活用しながら、ガス代(ネットワーク手数料)やネットワークの混雑解消を図るスケーリングソリューションである。

「Intmax」はこのzkRollupを、バリデーターがデータを保持しない(1回のやり取りで状態が初期化する)「ステートレス」な形で提供する。これは基本的な合意レベルで処理を並列化するシーケンサーの分散化が可能になることや、ユーザーが自らデータを保持できることが大きなメリットとして挙げられるとのこと。

なお「Intmax」は、世界で初めてニア・ゼロ・ガスコスト(ほぼゼロに近いガスコスト)とデータ主権の両立を実現したイーサリアムのレイヤー2として期待をされているとのことだ。

またRyodan Systemsは、NFTが実社会で使われていく事を想定し、その際にブロックチェーンにもカスタマイズできるプライバシーが重要視されてくる事を予想しているという。それにあたり「Intmax」のカスタマイズ可能プライバシーは、今後の多くの人がweb上に資産を載せる時代において、主流の動きになると説明している。

そして「Intmax」では1度のトランザクションで複数種類のNFTを同時に送れるバルクトランスファーもサポートするとのことで、これは企業のNFTユースケースにも活用できるとしている。

さらに「Intmax」では、生体認証を利用したウォレットレスウォレットを近日中にリリースする予定とのことだ。

※シードラウンド参加投資家一覧

HashKey Capital(ハッシュキーキャピタル)、Bitscale Capital(ビットスケールキャピタル)、B Dash Ventures(Bダッシュベンチャーズ)、SNZ、Antalpha Ventures(アンタルファベンチャーズ)、Scroll(スクロール)、Mask Network(マスクネットワーク)、Dora Hacks(ドラハックス)、East Ventures(イーストベンチャーズ)、MZ Web3 Fund、Tané(タネ)、SGverse Pte. Ltd.(SGバース)、Hyperithm(ハイパーリズム)、Stacker Ventures(スタッカーベンチャーズ)、Cryptomeria Capital(クリプトメリアキャピタル)、WAGMI Ventures(ワグミベンチャーズ)、Zephyrus Capital(ゼフィルスキャピタル)、Pragma Ventures(プラグマベンチャーズ)、​​TRGC、 Alchemy Ventures(アルケミーベンチャーズ)、 Big Candle Capital(ビッグキャンドルキャピタル)、BreakOrbit Ventures(ブレークオービットベンチャーズ)、HG Ventures(HGベンチャーズ)、Meteorite Labs(メテオリテラボ)、Ethereum(イーサリアム)暗号研究者であるJustin Drake(ジャスティン・ドレーク)氏、Gitcoinの創業者であるScott Moore(スコット・ムーア)氏 、元Coinbase CTOでエンジェル投資家として著名なBalaji Srinivasan(バラジ・スリニバサン)氏、The Daily Gwei創業者のAnthony Sassano(アンソニー・ササノ)氏

関連ニュース

デザイン:一本寿和
images:iStocks/BadBrother

関連するキーワード

この記事の著者・インタビューイ

大津賀新也

「あたらしい経済」編集部 記者・編集者 ブロックチェーンに興味を持ったことから、業界未経験ながらも全くの異業種から幻冬舎へ2019年より転職。あたらしい経済編集部では記事執筆の他、音声収録・写真撮影も担当。

合わせて読みたい記事

【11/22話題】SECゲンスラー委員長が退任へ、金融庁が暗号資産・ステーブルコイン仲介業の新設検討など(音声ニュース)

米SECゲンスラー委員長が来年1月に退任へ、功績評価の一方で反発や批判も、金融庁、暗号資産・ステーブルコイン仲介業の新設検討=報道、国民・玉木代表が税制改正要望を与党に提出、暗号資産への申告分離課税導入など提案、米裁判所、SECの「ディーラー」定義めぐる訴訟で関連規則を破棄するよう命じる、リミックスポイントが5億円でBTC・DOGE・XRP購入、投資総額30億円に、マスターカードとJPモルガン、ブロックチェーン決済ソリューションを連携 、コインベースが「WBTC」取扱い廃止へ、背景にジャスティン・サンの影響か、2019年のアップビットのハッキングは北朝鮮ハッカー関与か、韓国警察が特定、米ドルステーブルコイン「FDUSD」、スイに対応開始、Injective、オンチェーンAIエージェントSDK「iAgent」リリース

広告

ビットワイズ、「ソラナ現物ETF」を上場申請

米暗号資産(仮想通貨)運用会社ビットワイズ(Bitwise)が、ソラナ(Solana)を基盤とするETF(上場投資信託)の上場申請を、米国証券取引委員会(SEC)に提出したと11月21日発表した。なおこの申請は、株式取引所シーボーBZX取引所(Cboe BZX exchange)を通じて行われたとのこと。またビットワイズは発表上で同商品についてETP(上場取引型金融商品)と記載している