アービトラム(ARB)、財団への返金を含む新たなガバナンス投票開始

アービトラムで新たなガバナンス投票が開始

イーサリアム(Ethereum)レイヤー2スケーリングソリューションズのアービトラム(Arbitrum)で新たな提案「AIP1.05」が提出され、4月9日からガバナンス投票が開始されている。なおAIPは「Arbitrum Improvement Proposal:アービトラム改善提案」の略である。

今回提案された「AIP-1.05」はコミュニティが提出した提案であり、アービトラム財団がDAOトレジャリーから受け取ったトークンのうち、まだ使用されていない7億ARBをDAOトレジャリーへ返還することを要求するものである。

提案の中で「この提案はアービトラムDAOを最終的に管理するのは財団ではなくガバナンスに参加するトークンホルダーであるということを示すジェスチャーである」と説明されている。

「AIP-1.05」に対するガバナンス投票は、分散型ガバナンスプラットフォームのスナップショット(snapshot)で4月15日まで実施されており、4月12日現在約82パーセントが賛成票を投じている。

アービトラムは3月28日に、アービトラムを運営する分散型自律組織(DAO)「アービトラムDAO」の構造を決定する提案「AIP-1」について初のガバナンス投票を実施した。この提案には提案者のアービトラム財団(Arbitrum Foundation)がDAOトレジャリーから7.5億ARBを受け取るという内容も含まれていた。

しかしアービトラム財団がコミュニティの承認を得る前にDAOトレジャリーから7.5億ARBを受け取り、そのうち5000万ARBを使用するなどしてコミュニティの反感を買い、「AIP-1」は反対票多数で終了した。

またアービトラム財団は投票にて反対票が増えていく中で、「AIP-1」はすでに決定事項で投票は批准目的であったと発表。このことは、ガバナンスに対する不信感となっていた。

アービトラム財団はこれに対し、コミュニケーションに問題があり重要な初めのガバナンスが失敗に終わったと認めた。さらに数日後にコミュニティとのコミュニケーションを改善することを目指す提案セットを改めて公開した。

しかしアービトラム財団による新しい提案の中には、7.5憶ARBの資金受け取りに関する言及はなくコミュニティは不信感を抱いたままとなった。

そこで冒頭で説明したように、今回コミュニティが「AIP-1.05」を提案したという流れになっている。

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参考:スナップショット
デザイン:一本寿和
images:iStocks/hkeita

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この記事の著者・インタビューイ

田村聖次

和歌山大学システム工学部所属 格闘技やオーケストラ、茶道など幅広い趣味を持つ。 SNSでは、チェコ人という名義で、ブロックチェーンエンジニアや、マーケターとしても活動している。「あたらしい経済」の外部記者として記事の執筆も。