アバランチ(AVAX)、金融機関向けのサブネット「Evergreen」ローンチ

金融機関向けのサブネット「Evergreen」がローンチ

レイヤー1ブロックチェーン「アバランチ(Avalanche)」の開発を主導する米アバラボ(Ava Labs)が、金融機関向けのサブネット「Evergreen(エバーグリーン)」のローンチを4月6日発表した。

なおサブネットとは、アバランチを利用して構築された独自のブロックチェーンのこと。

発表によると「Evergreen」は、金融機関によるブロックチェーンに関するプロセスの効率性、透明性、構成可能性、資産のトークン化などの研究開発目的もしくは本番対応のユースケースとして利用が出来るとしている。

また「Evergreen」では、アバランチのネイティブ通信プロトコル「Avalanche Warp Messaging(AWM)」を介して、他のサブネットと通信および相互運用する機能を維持するとのこと。これにより既知の承認されたカウンターパーティ(相手先の金融機関)とのプライベートな許可されたチェーンでブロックチェーンおよびデジタル資産戦略を追求できると説明している。

なお「AWM」は、第三者による仲介者やブリッジに依存することなく、シームレスなオンチェーン資産交換、データ転送、確認、およびその他の種類の機関内および機関間通信を可能にするメッセージングレイヤーを提供する通信プロトコルである。

アバラボの日本責任者であるロイ氏によるとサブネットは10分で立ち上げが可能であり、KYC/KYB機能・地域別のバリデータ管理機能・ガス代不要のトランザクション・ブリッジを使用しないパブリックチェーンとの連携機能・その他法的なコンプライアンス機能がデフォルトで設定できるとのことだ。

アバランチは、2020年9月にメインネットをローンチしたレイヤー1(L1)ブロックチェーン。

アバランチは異なるデータ構造を採用するContract Chain(Cチェーン)、Platform Chain(Pチェーン)、Exchange Chain(Xチェーン)の3つのチェーンで構成されたブロックチェーンであり、それぞれで重要機能の役割を分担している。

Cチェーンではスマートコントラクトの実行が可能なため、dAppsの構築に利用される。またPチェーンはアバランチにおけるメタデータを記録するチェーンとなっており、AVAXのステーキングやバリデーター、サブネットの管理に用いられる。そしてXチェーンは資産の作成およびトレードに特化したチェーンとなっている。

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参考:アバラボエバーグリーン
デザイン:一本寿和
images:iStocks/Chan2545

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大津賀新也

「あたらしい経済」編集部 記者・編集者 ブロックチェーンに興味を持ったことから、業界未経験ながらも全くの異業種から幻冬舎へ2019年より転職。あたらしい経済編集部では記事執筆の他、音声収録・写真撮影も担当。