仕組み債のDeFi「Cega」、マーケットメーカー「Tras Mobian」を新設

「Cega」がマーケットメーカー「Tras Mobian」を新設

仕組み債を取り扱うDeFi(分散型金融)プロジェクト「Cega(セガ)」を開発するCega Finance(セガファイナンス)が、トレーディング・マーケットメーキングを専門とするグループ企業Tras Mobian(トラスモビアン)設立を4月1日発表した。

発表によると新会社設立の経緯は、「Cega」がDeFi領域を主導するデリバティブ・プロトコルへと急激に成長したために、新たな機能や商品の研究開発の必要性が高まったことがあるという。

また「Cega」はこれまで全てのポジションを外部マーケットメイカーを流していたとのことだが、「Cega」チーム自体が年間100億ドル超の取引を扱った経験と計35年以上の市場取引の知見から得た、市場におけるデリバティブ取引に関する知識と能力を有していることから、「Cega」の小規模チームをスピンアウトしたとのことだ。

Tras Mobianと「Cega」が協働することにより、「Cega」の商品はフロントランニング(顧客の売買を成立させる前に、顧客の注文より有利な価格で自分の売買を行うこと)の懸念なく中立性を維持しながら競争力のある価格を提示することができ、将来的な「Cega」のトークンホルダーにもさらなる価値を提供できると考えているとのことだ。

なおTras Mobianは4つをミッションに掲げている。「他のマーケットメイカーとともに、Cegaの商品が競争力を維持できるよう流動性を供給すること」、「新商品の研究開発を行い、また他のデリバティブプロトコルに対しても流動性を供給すること」、「ポジションの発注などにおいて、Cegaユーザーの運用上の柔軟性を確保すること」、「市場におけるアービトラージ機会を追求すること」とのことだ。

なお「Cega」はTras Mobian設立発表と同日、新たにEthereum(イーサリアム)メインネット上でローンチをしている。またそれに加え、新たなレバレッジ付きオプション商品「Leveraged Options Vault(LOV)」を4月上旬からイーサリアム上の「Cega」限定で提供することを発表している。

また「Cega」開発元のセガファイナンスは先月3月28日、約7億円(500万ドル)の追加調達完了を発表していた。

なおセガファイナンスの共同設立者兼CEOである豊崎亜里紗氏は、投資銀行のUBS証券、グーグル(Google)でのキャリアを持つ人物だ。

Cegaとは

「Cega」は、基本的なオプション (コール、プット等) と高度な条件を付加したエキゾチックオプションを組み合わせた仕組債にステーキングできるサービスであり、この仕組債はノックインとノックアウトのバリアオプションとプットとコールのバスケットオプションの条件を付与したフィクスト・クーポン・ノート(FCNs)として組成しているとのことだ。

「Cega」は厳しい市況にも対応することのできる元本補償機能を備えることで、比較的リスクを抑えて収益を上げることができる暗号資産の仕組債パッケージを提供しているという。

「Cega」の仕組債は特徴的な仕組みをユーザーに提供し、カスタマイズされた機能を追加できるという点で、基本的なオプション取引とは差別化されているとのこと。

一例として、ユーザーが「Cega」上でUSDC建てで取引できる仕組債は、「BTCかETHのどちらかがこれから27日間で50%以上下落しない場合、年率約12%のUSDC金利を得る」といった複数のオプション取引を組み合わせた投資戦略(ストラテジー)を有した製品となるとのことだ。

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デザイン:一本寿和
images:iStocks/LuckyStep48

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この記事の著者・インタビューイ

大津賀新也

「あたらしい経済」編集部 記者・編集者 ブロックチェーンに興味を持ったことから、業界未経験ながらも全くの異業種から幻冬舎へ2019年より転職。あたらしい経済編集部では記事執筆の他、音声収録・写真撮影も担当。

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