チケットマスターがトークンゲーティッドを試験導入
米チケット販売会社チケットマスター(Ticketmaster)が、特定のNFT所有者に対してコンサートチケットを販売できるツール「トークンゲーティッド(token-gated)」を試験的に提供開始したことを3月27日発表した。
今回の試験提供にて「トークンゲーティッド」は、ロックバンド「アヴェンジド・セヴンフォールド(Avenged Sevenfold:A7X)」のコンサートチケットの早期入手権において利用されたとのこと。同バンドが展開する10,000個のNFTで構成されたNFTプロジェクト「デスバッツクラブ(Deathbats Club)」のデスバッツNFT所有者に対してチケットの早期入手権を付与するとのこと。
なお「デスバッツクラブ」は、デスバッツNFTの所有者が特典のロックを解除してイベントにアクセスする為のファンクラブメンバーシップだ。
デスバッツNFTの所有者には、同NFTの知的財産権が付与され、商品の作成やバンド、ブランド、ビジネスが展開できるという。またメタバースプロジェクトへのアクセス権やコンサートチケットなども与えられるとのこと。
「トークンゲーティッド」は、「アヴェンジド・セヴンフォールド」とそのチームであるビットフリップス(Bitflips)により共同開発されたもの。メタマスク(MetaMask)やコインベースウォレット(Coinbase Wallet)などイーサリアム(Ethereum)基盤のweb3ウォレットが接続できるという。
チケットマスターは「トークンゲーティッド」により、アーティストが特定のNFT所有者に対して特別な先行販売や独占的なコンサート体験など様々なアクセス権を与えることが可能になると説明している。
またチケットマスターは「トークンゲーティッド」の他にも、チケットの転送を制限して再販価格を額面価格で固定するプログラム「フェイスバリューチケットエクスチェンジ」や、高額な転売目的でチケットを取得しようとするスキャルパーやボットを除外する登録システム「ベリファイドファン」、アーティストがリクエストに応じて需要の高いショーのチケット販売を可能にして、従来のオンセールラッシュを排除するサービス「チケットマスターリクエスト」を提供していくとのことだ。
チケットマスターによるNFT関連の取り組み
チケットマスターは昨年8月にダッパーラボ(Dapper Labs)とのパートナーシップ締結のもと、イベントチケットをデジタルコレクタブルNFTとして発行できる新機能をイベント主催者向けにローンチしている。
この新機能により、チケットマスターでライブイベントのチケットを販売しているイベント主催者は、イベント開催前や最中、終了後にNFTの発行が可能になった。
また昨年11月には、米アメフトプロリーグNFL(ナショナル・フットボール・リーグ)と連携し、NFTによる「バーチャル記念チケット」を販売している。なおこのNFTはポリゴン(Polygon)ブロックチェーン上で発行されたようだ。
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参考:Ticketmaster
images:iStocks/Laura-Gxnzalez