イーサリアムL2「zkSync Era」、メインネットα版を全ユーザーに公開

「zkSync Era」のメインネットα版が一般公開

イーサリアム(Ethereum)レイヤー2スケーリングソリューション「zkSync Era(zkシンクエラ)」のメインネットアルファ版が、全ユーザーへ公開された。同ネットワーク開発元のマターラボ(Matter Labs)が3月24日発表した。

「zkSync Era」は昨年2月にテストネットで公開され、同年10月よりメインネットでの運用が開始していた。なお今回までは、開発者がクローズドな環境でアプリケーションを展開してテストできるようにする為、エンドユーザーに公開されていなかった。

発表によると今回のアルファ版公開にあたり、OpenZeppelin(オープンツェッペリン)などの監査企業による7回のセキュリティ監査が行われた他、3回の内部監査、2回のパブリックセキュリティコンテスト、オープンエンドのバグバウンティプログラム、コードのオープンソース化などを実施してきたとのことだ。

またアルファ版では出金の遅延や脆弱性の監視、新たな監査とバウンティプロクラムの実行、安全保障理事会の創設など行っていくとのことだ。

「zkSync Era」は、「zkEVM」に分類されるL2ネットワークだ。「zkEVM」はゼロ知識証明(zero-knowledge proof:zkp)を活用したロールアップ技術「ZKロールアップ(ZK Rollups)」を採用し、EVM(イーサリアムバーチャルマシン)に互換性を持っている。

なお「zkEVM」を採用したL2ネットワークは、米コンセンシス(ConsenSys)やポリゴン(Polygon)なども開発を進めている。

マターラボ開発の「zkSync Era」の大きな特徴として、「アカウント抽象化(Account Abstractio:AA)」がネイティブで採用されていることだ。

「アカウント抽象化」は、いままで利用されていた外部所有アカウント(EOA)からスマートコントラクトアカウント(CA)にアップグレードすることで、ユーザーがアカウント(ウォレット)から直接スマートコントラクトを使用可能にする技術。

これにより、EOAで必要とされていたシードフレーズや秘密鍵が必要なくなり、ウォレットの生体認証や選択した第三者によるソーシャルリカバリーが対応可能になるという。他にもGas代(ネットワーク手数料)が任意のトークンやクレジットカードを選択して支払い可能になることや、複数のトランザクションをロット単位で一度に送信することも可能になり、Gas代の削減にも有効になるとされている。

なお「zkSync Era」での独自トークン発行については、未定とのことだ。

「zkSync Era」は、今年2月に「zkSync2.0」から改名されており、2020年12月に公開された前バージョンの「zkSync1.0」も「zkSync Lite(ジーケーシンクライト)」へ名称変更している。

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参考:マターラボ
デザイン:一本寿和
images:iStocks/metamorworks

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この記事の著者・インタビューイ

大津賀新也

「あたらしい経済」編集部 記者・編集者 ブロックチェーンに興味を持ったことから、業界未経験ながらも全くの異業種から幻冬舎へ2019年より転職。あたらしい経済編集部では記事執筆の他、音声収録・写真撮影も担当。

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