ミステンラボ、FTX保有の株式やトークン買い戻しの意向
Sui(スイ)ブロックチェーンを開発するミステンラボ(Mysten Labs)が3月16日、FTXトレーディングが保有するミステンラボへの株式投資とSuiトークンのワラントを買い戻すため、意向表明書を交付した。裁判資料により明らかとなり、3月24日各報道機関が報じた。
ミステンラボは昨年9月、FTXベンチャーズ(FTX Ventures)が主導するシリーズBラウンドで3億ドル(約430億円)の資金調達を完了している。
裁判資料によれば、FTXベンチャーズは同ラウンドで1億100万ドル(約131.7億円)を投資し、ミステンラボの優先株式約57万株と最大で約8億9000万SUIトークンを購入できるワラントを受け取ったという。
今回ミステンラボは、これらFTXトレーディングの所有分を9600万ドル(約125億円)で買い戻したい意向のようだ。迅速な取引完了を希望する旨をFTXトレーディングとその債務者ら(以降債務者と表記)と話し合ったという。
これを受け、債務者は投資銀行ペレラ・ワインバーグ・パートナーズ(Perella Weinberg Partners/PWP)の支援のもと、調印前に本公開買付けの価値に関する市場調査を実施。ミステンラボとは別の購入希望者1名からオファーを受けたが、検討の結果、ミステンラボの提案が最善だと判断されたという。
なお本公開買付けは2023年4月27日に終了予定であり債務者は売却命令が下される日まで第三者からより高く優れた提案を募集できるとのことだ。
裁判資料には「PWPの支援を受けて代替案を徹底的に評価した結果、債権者は、ミステンラボとの取引を進め、相互に合意できる取引実行に向けて取り組むことこそが、彼らの財産と有権者にとって最善の利益であると判断した」と記されているが、「債務者は今後数週間にわたり、権益のマーケティングを続け、より高く優れたオファーが存在しないことを確認すると予想する」と記されている。
大手暗号資産(仮想通貨)取引所のFTXは昨年11月に破綻し、現在破産裁判が行われている最中だ。FTXの再編を手掛ける現CEOのジョン・J・レイ三世(John J. Ray III)氏は、債権者に対し、破綻したFTXからの回収金を最大化すべく努力を重ねている。今回の取り組みもそのプロセスの一部だと見られる。
昨年11月にはブロックチェーンのインターオペラビリティプロトコルを開発するレイヤーゼロ(LayerZero Labs)が、FTXやFTXベンチャーズおよびアラメダ(Alameda)が保有するレイヤーゼロの株式・トークンワラントなどを全て買い戻したと発表していた。
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参考:裁判資料
デザイン:一本寿和
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