指名手配のテラ創設者ド・クオンがモンテネグロで逮捕、身元確認完了し身柄引き渡しへ

身元確認が完了

昨年5月に暴落した暗号資産(仮想通貨)「テラ:Terra(LUNA:ルナ)」と「テラUSD:TerraUSD(UST)」を運営するテラフォームラボ(Terraform Labs)の創業者ド・クオン(DoKwon)氏が、モンテネグロのポドゴリツァ空港で逮捕された。同国のフィリップ・アジッチ(Filip Adzic)内務大臣が3月23日(日本時間:以降同じ)にツイート。その後各社報道機関が続報を報じている。

モンテネグロ内務省がアジッチ内務大臣の声明としてツイートした内容によると、逮捕されたのはド・クオン氏および、同氏の側近とされるホン・チャンジュン(Hon Chang Joon)氏の2名。

なお両名は、3月23日のドバイ行きのフライトのパスポート審査で偽造パスポートを使用したとして、文書偽造の犯罪容疑がかけられ逮捕されている。またモンテネグロ内務省は「犯罪結社の犯罪行為により、NCB Seoul-Koreaから令状が発行された」と報告した。

アジッチ氏のツイートによると、ド・クオン氏らは3月23日21:51時点で、身元の確認を待っていたという。

なお3月23日23:16時点の韓国聯合ニュースによると、韓国警察がド・クオン氏が所持していた身分証で年齢・国籍・名前・写真を確認し、本人であることを確認。正確な身分確認のため指紋情報での確認を行い、24日に本人であることが確認された。なおホン・チャンジュン氏の本人確認も完了。現在は両者の身柄引き渡しを要求するため、関連手続きを踏んでいるという。

テラの騒動

テラUSDは、法定通貨の価格に連動する「ステーブルコイン」としてかつては世界の暗号資産上位10位内に入っていたが、昨年5月に1米ドル=1テラUSDのペッグが崩壊し暴落。USTやLUNAなどの暗号資産が無価値となり、世界の投資家の間で総額420億ドルの損失が発生したとの試算もあり、投資家らから詐欺で訴えられている。その後インターポールの手配リストにも掲載された。

昨年6月に韓国捜査当局がテラプロジェクトの関係者に出国禁止令を出し、同年9月には、韓国の裁判所がド・クオン氏を含む6人に逮捕状を発布していた。

ド・クオン氏とテラフォームラボは2月20日、米証券取引委員会(SEC)より証券詐欺指揮の罪で提訴されている。

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参考:聯合ニュース
デザイン:一本寿和
images:iStocks/BrianAJackson

この記事の著者・インタビューイ

髙橋知里

「あたらしい経済」編集部 記者・編集者

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