SECがジャスティン・サンらを証券法違反で告訴
米証券取引委員会(SEC)が3月22日、中国の暗号資産(仮想通貨)関連の起業家で、トロン・ブロックチェーン(TRON Blockchain)の創設者あるジャスティン・サン(Justin Sun)氏と同氏関連会社及び8名の著名人を証券法違反の疑いで告訴したと同日発表した。
今回告訴されたのは、ジャスティン・サン(Justin Sun)氏と「トロン財団(Tron Foundation Limited)」、「ビットトレント財団(BitTorrent Foundation Ltd.)」、「レインベリー社(Rainberry Inc.)※旧ビットトレント」の3社だ。
暗号資産(仮想通貨)のトロニクス(TRX)とビットトレント(BTT)を無登録で募集・販売したことが証券法違反にあたるとしている。
SECはまた、サン氏が流通市場において、TRXの取引量を人為的に膨らませる計画を実行したとして連邦証券法に違反したと告発。
SECは、サン氏が従業員に対し少なくとも2018年4月から2019年2月にかけて、TRXの60万件以上のウォッシュトレードを行うよう指示したと主張。毎日450万から740万件のTRXがウォッシュトレードされたと報告した。また、サン氏が流通市場でTRXを販売し、3100万ドル(約40.5億円)の収益を得たと報告した。
違法宣伝で著名人らも起訴
SECは、報酬を得てTRXとBTTを宣伝し、報酬額を開示せず違法に宣伝活動を行ったとして8名の著名人も告発している。
告発されたのは、女優のリンジー・ローハン(Lindsay Lohan)氏、ユーチューバーのジェイク・ポール(Jake Paul)氏、ラッパーのデアンドレ・コルテス・ウェイ(DeAndre Cortez Way/Soulja Boy)氏、アーティストのオースティン・マホーン(Austin Mahone)氏、ラッパーのマイルズ・パークス・マッコラム(Miles Parks McCollum/Lil Yachty)氏、シンガーのシェイファー・スミス(Shaffer Smith/Ne-Yo)氏、シンガーのアリアーヌ・ティアム(Aliaune Thiam/Akon)氏だ。
なおデアンドレ・コルテス・ウェイ氏とオースティン・マホーン氏以外の著名人らは、SECの調査結果を認めることも否定もせず、和解のために40万ドル以上の和解金・利息・罰則を支払うことに同意したという。
SECの執行ディレクターであるグルビル・グレワル(Gurbir S. Grewal)氏は「私たちは、問題視されている技術については中立だが、投資家保護に関しては中立ではない」とし、「サン氏らは、登録・開示の要件に従わずに証券を提供し、市場を操作することで投資家を欺き、損害を与えた。同時にサン氏は、数百万人のソーシャルメディアのフォロワーを持つ有名人に報酬を支払い、報酬を開示しないよう指示しながら、未登録の売り物を宣伝させた。こういった行為は、サン氏らが用いたラベルに関係なく、連邦証券法で保護されるために制定された行為そのものだ」とコメントしている。
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参考:SEC
デザイン:一本寿和
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