ユニスワップV3がBNBチェーンで稼働開始、アバランチ展開も可決へ

ユニスワップV3がBNBチェーンでローンチ

大手DEX(分散型取引所)のユニスワップ(Uniswap)が、「ユニスワップ V3(Uniswap V3)」をBNBチェーンで稼働開始したことを3月16日に発表した。またレイヤー1ブロックチェーン「アバランチ(Avalanche)」へマルチチェーン展開する提案もされており、実質可決状態となっている。

ユニスワップは世界で最も利用されているDEXだ。直近1週間での取引量はおよそ328億円となっている(3/17DefiLlama調べ)。 またBNBチェーンは、最大手暗号資産(仮想通貨)取引所バイナンス(Binance)が運営するパブリックブロックチェーンだ。

今回のマルチチェーン展開により「ユニスワップV3」は、イーサリアム(Ethereum)、ポリゴン(Polygon)、オプティミズム(Optimism)、アービトラム(Arbitrum)、セロ(Celo)、BNBチェーン(BNB Chain)の6つのブロックチェーンで利用可能になった。

なおユニスワップは、プラットフォームのソースコードに関するビジネスライセンスを2年間の制限付きで取得しており、ユニスワップをほとんどコピーしたようなフォークアプリケーションの乱立を防いでいる。しかし、このライセンスは2023年4月1日に切れてしまうため、フォークアプリケーションが乱立する前にマルチチェーン対応を急いでいる。

今回のBNBチェーン展開を決めるコミュニティ投票においては、ベンチャーキャピタルa16z(アンドリーセンホロウィッツ)が大量の反対票を投じたことで注目を集めていた。

BNBチェーンへの展開にあたり、「ユニスワップV3」で採用するブリッジプロトコルとして「ワームホール(Wormhole)」が「温度感調査」で1位を獲得していた。これに対し多くの投票数を持つa16zは、反対を表明。過去の「ワームホール」のハッキング被害を反対意見の重要な要因として挙げていた。

結果としてa16zの意向が通ることはなかったものの、ユニスワップのガバナンスにおけるa16zの影響力の大きさについて、分散化を求める業界全体から議論を呼ぶ出来事となっていた。

アバランチへの展開について

またアバランチへのマルチチェーン展開に関する提案は、コミュニティの「温度感調査」が分散型ガバナンスプラットフォーム「スナップショット(snapshot)」で実施され賛成多数で終了している。

その後、DAO管理ツールの「タリー(Tally)」にて最終のガバナンス投票が3月10日から17日まで行われている。

現在アンドリーセンホロウィッツ(a16z)やガントレット(Gauntlet)、コンセンシス(ConsenSys)といった大きな投票力をもつ組織からの賛成票が集まっている。その数は記事執筆時点(3/1715:30)において賛成票95.08%、反対票4.91%となっており、アバランチへのマルチチェーン展開が可決されることが確定的である。

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参考:ユニスワップ
デザイン:一本寿和
images:iStocks/iam2mai

この記事の著者・インタビューイ

田村聖次

和歌山大学システム工学部所属 格闘技やオーケストラ、茶道など幅広い趣味を持つ。 SNSでは、チェコ人という名義で、ブロックチェーンエンジニアや、マーケターとしても活動している。「あたらしい経済」の外部記者として記事の執筆も。

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