イーサリアム次期大型アップグレード「Shapella」、最終テストネットに実装完了

ゴエリテストネットに「Shapella」実装完了

イーサリアム(Ethereum)メインネットの次期大型アップグレード「シャペラ(Shapella:Shanghai/Capella)」に向けた最終のテストネット実装が完了した。イーサリアム財団(Ethereum Foundation)のティム・ベイコ(Tim Beiko)氏ら開発者らが報告している。

今回「シャペラ」が実装されたのは、「ゴエリ(Goerli)」テストネット。予定通り世界協定時3月14日22:25(日本時間:15日7:25)に実装完了している。なお「ゴエリ」はテストネットの中でも本番環境に近く、長期的なサポートが受けられる推奨の公開テストネットである。

「シャペラ」のメインネット実装により、イーサリアムメインネットにステークされたETHの出金機能を備えたアップグレードが予定されている。今回の「ゴエリ」で「シャペラ」を実装することにより、同機能のテストが行われる。

このテストが問題なく終了すれば、次回はメインネットでの「シャペラ」実装に進む予定だ。4月の第2週に「シャペラ」が実施されるとみられているが、ティム・ベイコ氏によると、3月16日にメインネットでの「シャペラ」の実施日を設定する可能性があるとのことだ。

イーサリアムは2022年9月に大型アップグレード「マージ(The Merge)」を実施し、コンセンサスアルゴリズムをプルーフオブワーク(PoW)からプルーフオブステーク(PoS)へ移行した。PoSで稼働するビーコンチェーンのローンチ後には、ETHをステーキングすることでバリデーターとして報酬を得られるようになったが、現在そのステークしたETHを出金する機能は備えられていない。

なおイーサリアムのビーコンチェーンには、現在約1,700万ETHがロックされている。この数字はETH全体の供給量の約14%強を占めるとされている。

ちなみに「シャペラ」は、実行レイヤー(execution layer)のアップグレード「シャンハイ(Shanghai:上海)」と合意レイヤー(consensus layer)のアップグレード(Capella:カペラ)が実施されることから、総称して「シャペラ」と呼ばれるようになっている。

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デザイン:一本寿和
images:iStocks/Who_I_am

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この記事の著者・インタビューイ

大津賀新也

「あたらしい経済」編集部 記者・編集者 ブロックチェーンに興味を持ったことから、業界未経験ながらも全くの異業種から幻冬舎へ2019年より転職。あたらしい経済編集部では記事執筆の他、音声収録・写真撮影も担当。