ゴエリテストネットでの「シャペラ」実施日が合意設定
イーサリアム(Ethereum)メインネットの次期大型アップグレード「シャペラ(Shapella:Shanghai/Capella)」に向けた次回のテスト目標日が、世界協定時3月14日22:25(日本時間:15日7:25)に設定された。3月2日に行われた実行層会議156(Execution Layer Meeting 156)において合意されている。
次回テストは「ゴエリ(Goerli)」テストネットにて「シャペラ」が実行される予定。「ゴエリ」はテストネットの中でも本番環境に近く、長期的なサポートが受けられる推奨の公開テストネットである。2月28日に実施された前回の「セポリア(Sepolia)」テストネットでの「シャペラ」は完了しており、メインネットでの「シャペラ」に向け次の段階へ進むことになった。
なおメインネットでの「シャペラ」は「ゴエリ」でのテスト後に実施される予定となっている。問題なくテストが進めば4月の第2週に「シャペラ」が実施されるとみられているが、イーサリアム財団(Ethereum Foundation)のティム・ベイコ(Tim Beiko)氏によると、3月16日にメインネットでの「シャペラ」の実施日を設定する可能性があるとのことだ。
「シャペラ」では、イーサリアムメインネットにステークされたETHの出金機能を備えたアップグレードが予定されている。
イーサリアムは2022年9月に大型アップグレード「マージ(The Merge)」を実施し、コンセンサスアルゴリズムをプルーフオブワーク(PoW)からプルーフオブステーク(PoS)へ移行した。PoSで稼働するビーコンチェーンのローンチ後には、ETHをステーキングすることでバリデーターとして報酬を得られるようになったが、現在そのステークしたETHを出金する機能は備えられていない。
なおイーサリアムのビーコンチェーンには、現在約1,700万ETHがロックされている。この数字はETH全体の供給量の約14%強を占めるとされている。
ちなみに「シャペラ」は、実行レイヤー(execution layer)のアップグレード「シャンハイ(Shanghai:上海)」と合意レイヤー(consensus layer)のアップグレード(Capella:カペラ)が実施されることから、総称して「シャペラ」と呼ばれるようになっている。
Client teams felt comfortable moving forward with Goerli, which we agreed to fork on March 14, 10:25pm UTC. I’ve opened a PR to update the specs accordingly: https://t.co/tvcFBCidx5
— timbeiko.eth (@TimBeiko) March 2, 2023
Expect client releases & an announcement early next week 👀
関連ニュース
- イーサリアム、テストネット「Sepolia」で「Shapella」アップグレード完了
- イーサリアム「シャンハイ」、テストネット「Sepolia」での実施日決定
- イーサリアム開発者会議「Devcon」、次回は2024年に東南アジアで開催へ
- Goerliテストネット用ETHの価格高騰、投機目的の購入が原因か
- Lido、流入量急増によりデポジット一時停止する安全装置作動
参考:Github・beaconcha.in
デザイン:一本寿和
images:iStocks/NatalyaBurova