米シルバーゲート、2022年度年次報告書の提出延期へ

シルバーゲートが年次報告書の提出を延期

米シルバーゲート銀行(Silvergate Bank)の親会社のシルバーゲートキャピタル(Silvergate Capital Corporation)が、「Form 10-k(フォームテンケー)」の提出を延期することが、同社の米SEC(証券取引員会)への遅延出願通知書の提出により明らかとなった。

なお「Form 10-k」は、SECへの提出が義務付けられている企業活動の年次報告書だ。日本でいう有価証券報告書に相当する。

3月1日に提出された遅延出願通知書によると、シルバーゲートは期日内に「Form 10-k」を提出できなかった理由を「分析や監査」、「後発的事象に関する仕訳の記録」に時間を要するためと説明している。

シルバーゲートは現在、「直面している事業や規制上の課題に照らして、事業・戦略を再検討してる最中」だとし、提出時期については延期日である3月16日までに提出できるとは思えないと述べている。

またシルバーゲートは、1月~2月で負債債権を追加売却し、今後さらに損失計上する予定だという。また「これらの追加の損失は、当社および当社の完全所有子会社であるシルバーゲート銀行の規制自己資本比率に悪影響を及ぼし、当社および銀行の資本が不足する可能性がある」と伝えている。

株価に影響も

この発表を受け、シルバーゲートの株価は取引時間外で30%以上下落した。なお執筆時点(3月3日12:00)から過去24時間以内で55%以上の下落を記録している。3月2日の終値は5.72ドル(約782円)であった。

以前シルバーゲートはFTXの破綻以降、同社の株式はその価値の60%近くを失っており、今もなお下降傾向にある。

1988年設立のシルバーゲートは、2013年にクリプト業界に進出。同行は、「コインベース(Coinbase Global)」や「クラーケン(Kraken)」などの大手取引所を顧客に抱えている。

シルバーゲートは1月、投資家らが2022年の10~12月で80億ドル(約1.4兆円)以上の預金を引き揚げたと報告。その後同社は昨年の第4四半期(10~12月)で10億ドル(約1309.5億円)の純損益を計上していた。

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参考:遅延出願通知書(Form 12b-25)
デザイン:一本寿和

images:iStocks/Foryou13

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この記事の著者・インタビューイ

髙橋知里

「あたらしい経済」編集部 記者・編集者

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