韓国カカオのクレイトン(KLAY)、分散化に向け新たなガバナンスシステム発表

コミュニティによるガバナンスやブロック検証への参加を可能に

韓国発のレイヤー1ブロックチェーンであるクレイトン(Klaytn)の開発やエコシステムの拡大を担うクレイトン財団(Klaytn Foundation)が、クレイトンの分散性向上を目的とする新しいガバナンスシステムを2月19日に発表した。

クレイトンは韓国カカオの子会社であるグラウンドX(Ground X)が2019年に開発したブロックチェーンである。クレイトンのガバナンスはカカオのグループ会社やLG、バイナンス(Binance)、ユニオンバンク(UnionBank)などの認可された企業が参加するクレイトン・ガバナンス・カウンシル(GC)が担っており、現在クレイトンは分散性を犠牲に高い安定性や処理速度を実現している状態にある。

当初からパブリックなブロックチェーンプラットフォームを目指しているクレイトンは、2020年にエコシステムの拡大を目的としてクレイトン財団を設立し、エコシステムの分散化を進めている。

今回クレイトン財団は、クレイトンの分散化の一環として、コミュニティメンバーによるガバナンスへの参加を可能にすべく、ガバナンスシステムを刷新するという。

まず意思決定プロセスにコミュニティメンバーが参加できるように、エコシステムや新規技術に関する情報などを公開するクレイトン・スクエア(Square)を導入するとのこと。さらにコミュニティメンバーとGCをつなぐコミュニケーションツールを導入することで、コミュニティの意見をGCの意思決定に反映可能にするとのことだ。

またコミュニティメンバーがバリデーターとしてブロック検証プロセスに参加できるよう、コンセンサスアルゴリズムに変更を加えるという。これにより、コミュニティメンバーに対して幅広い権限が付与されることになり、DeFi(分散型金融)サービスをはじめとする新たなビジネス構造の開拓が期待できるとのこと。なおこの変更は2024年中に実装される予定とのことだ。

さらにクレイトン財団は、コミュニティからのフィードバックに応じてクレイトンのガバナンストークンであるKLAYを配布する仕様を含む新たなトークノミクスへの変更を提案している。トークノミクスの変更について2月22日から28日まで投票を実施し、最終的な変更内容を決定するとのことだ。

またクレイトン財団は、2023年以降のクレイトンのロードマップを2月27日に発表する予定としている。

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参考:Klaytn
デザイン:一本寿和

images:iStock/royyimzy・dalebor

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この記事の著者・インタビューイ

小俣淳平

「あたらしい経済」編集部 一橋大学2年生 真面目で温厚な20歳。大学1年生のころにブロックチェーンに出会い、その革新性に衝撃を受け、ブロックチェーン業界に足を踏み入れた。勢いのままに学内で「OneLab」というサークルを立ち上げ、週一で活動している。

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