日銀のCBDCパイロット実験が4月開始へ
日本銀行が進めている中央銀行デジタル通貨(CBDC)の実証実験が、4月より「パイロット実験」の実施に進むことが2月17日発表された。
CBDCに関する基本的なアイディアが技術的に実現可能かどうかを確認するプロセスとなる「概念実証」は、当初の予定どおり3月に終了する予定とのことだ。
なお日本においてCBDCを導入するかどうかは現時点では決定しておらず、日銀としては「今後の国民的な議論の中で決定されるべきもの」との考えであるとのこと。
現在行っている実証実験は、そのような議論をはじめ、今後の様々な環境変化に的確に対応できるよう、準備を進めるためのものとなるようだ。
なお発表によると4月から開始される「パイロット実験」では、中央システムから、仲介機関ネットワーク、仲介機関システム、エンドポイントデバイスまでを一体的に実装するものとして実験用システムを構築するという。
そして、その実験用システムに関してエンドツーエンドでの処理フローの確認や、外部システムとの接続に向けた課題・対応策の検討などを行うとのこと。
また「パイロット実験」にあわせ日銀は、CBDCの制度設計を適切に進める観点から「CBDCフォーラム」を設置するという。同フォーラムにリテール決済に関わる民間事業者に対し参加を仰ぎ、幅広いテーマについて議論・検討を行っていくとのこと。
この「CBDCフォーラム」参加者の選定方法などについては、3月中に説明会を実施する予定とのことだ。
なお日銀は昨年3月、「概念実証フェーズ1・2を経て、さらに必要と判断されれば、民間事業者や消費者が実地に参加する形でのパイロット実験を行うことも視野に入れて検討していく」と、フェーズ2に進む際の声明で述べていた。
しかし今回の発表では「パイロット実験」において「店舗や消費者が関与する実取引を行うことは現時点では想定していない」と表明をしている。
ちなみに日銀によるCBDCの実験環境構築は、日立製作所が業務委託先として選定されている。
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参考:日銀
images:Reuters