独テクノロジー企業シーメンス、ブロックチェーン上で自社初のデジタル債券発行

シーメンスが自社初のデジタル債券発行

ドイツの大手テクノロジー企業のシーメンス(Siemens)が、パブリックブロックチェーン上で自社初のデジタル債券を発行したことを2月14日発表した。

発表によれば、デジタル債券はドイツの電子証券法(Gesetz über elektronische Wertpapiere、eWpG)に基づき発行された6000万ユーロ(約85.5億円)の債券で、満期は1年とのことだ。なお各メディアの報道によるとこのデジタル債券は、ポリゴン(MATIC)のブロックチェーン上で発行されたとのことだ。

また、このデジタル債券はフランクフルト拠点の資産管理会社の「デカ銀行(DekaBank)」、ドイツ2位の資産規模を誇る「DZ銀行(DZ Bank)」、DZ銀行グループの投資部門「ユニオン・インベストメント(Union Investment)」に直接販売されたという。なおシーメンスは「(デジタル債券は)従来の債券より大幅に早く効率的に取引可能であったため、取引は2日以内に完了した」と報告している。

このことについてシーメンスの財務担当者であるピーター・ラスゲブ(Peter Rathgeb)氏は「ドイツにおけるデジタル証券の発展において重要なマイルストーンに到達した」とコメント。

またシーメンスの最高財務責任者であるラルフ・P・トーマス(Ralf P. Thomas)氏は「(顧客へのDXサポートで成功したシーメンスにとって)金融の分野でも最新のデジタルソリューションをテストし、活用することは当然のこと。これによりシーメンスは資本市場・証券市場のためのデジタルソリューション開発のパイオニアになった」と述べている。

ドイツでは2021年6月に電子証券法が施行された。以降ブロックチェーン活用のデジタル債券が発行可能となっている。

デジタル債券発行の動きは世界でも広がっている。今年1月にはオランダの大手投資銀行ABNアムロやスイスのルガーノ市がデジタル債券発行を発表していた。

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参考:シーメンス
デザイン:一本寿和
images:iStocks/wacomka・Ninja-Studio

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この記事の著者・インタビューイ

髙橋知里

「あたらしい経済」編集部 記者・編集者