エルメス、NFT「MetaBirkin」商標めぐる裁判に勝訴=報道

NFT商標の裁判でエルメスが勝訴

世界的高級ファッションブランドのエルメス(Hermès International SA)が、NFTアーティストのメイソン・ロスチャイルド(Mason Rothschild)氏との裁判に勝訴したようだ。ブルームバーグが2月8日報じた。

この裁判は昨年1月、ロスチャイルド氏のNFT作品シリーズ「メタバーキン(MetaBirkin)」を、一部メディアがエルメスが支援するプロジェクトだと誤認される報道をし、それによりエルメスの自社のNFT参入の機会の障害になったとして、エルメスが起こしたものだ。「メタバーキン(MetaBirkin)」が、エルメスを代表する高級ハンドバッグ「バーキン(Birkin)」の商標権利を違反してるとして争われていた。確かに「メタバーキン」は、エルメスのバーキンを模したデザインで展開されていたNFTシリーズではあった。「メタバーキン」は1個につき約450ドルで販売されていたが、転売市場では数万ドルもの価値を付けていたという。

報道によれば陪審員らは2月8日の評決で、「メタバーキン」は「模造品やブランドを利用しようとする者からブランドを守る商標法の対象となる消費者製品に近い」と判断したという。結果としてロスチャイルド氏へは、エルメスに対する総額13万3000ドル(約1750万円)の賠償命令が下された。

ロスチャイルド氏の主張

ロスチャイルド氏は裁判の中で、自身のNFTはアメリカ合衆国憲法修正第1条により保護された芸術作品であり、アンディ・ウォーホル氏による芸術作品の「キャンベルのスープ缶」と変わらないと主張したという。

なおアメリカ合衆国憲法修正第1条は、宗教の自由な行使を妨げる法律制定を禁ずるもので、表現の自由・報道の自由・平和的に集会する権利・ 請願権を妨げる法律を制定することも禁止している条項だ。

またロスチャイルド氏の弁護士は、ロスチャイルド氏の作品は、社会がステータスシンボルにどのような価値を置くかを検証する「芸術的実験」だと述べたという。

今回敗訴したロスチャイルド氏は判決に対し「今日起きたことは間違いだ」とし、「今日起きたことは私たちが闘い続けない限りこれからも起こり続ける。これはまだ終わっていない」とツイートしている。

 

関連ニュース

デザイン:一本寿和
images:iStocks/LewisTsePuiLung

関連するキーワード

この記事の著者・インタビューイ

髙橋知里

「あたらしい経済」編集部 記者・編集者

合わせて読みたい記事

【11/1話題】イミュータブルがSECからウェルズ通知、アルゼンチンLABITCONFがサトシの正体明かすと告知など(音声ニュース)

イミュータブルが米SECからウェルズ通知受ける、「IMX」証券性の疑いか、アルゼンチンのカンファレンス「LABITCONF」、サトシ・ナカモトが正体明かすと告知、フランクリン・テンプルトン、「オンチェーン米国政府マネーファンド」をイーサL2「Base」に展開、Crypto[.]comがSEC登録ブローカーディーラー買収、米国ユーザーに株式取引機会提供へ、セキュリタイズ、トークン化資産の管理機能統合の「Securitize Fund Services」立ち上げ、米マイクロストラテジー、「21/21プラン」で420億ドル調達を計画、ビットコイン購入資金で、BIS、中国主導の「中銀デジタル通貨」プロジェクトから離脱、Sui対応の携帯型ゲーム機「SuiPlay0X1」、格闘ゲーム『サムライスピリッツR』リリースへ、ヴィタリック、イーサリアム最後のチェックポイント「ザ・スプラージ」解説、バイナンス共同創業者、「Web3が身近な社会実現目指す」と語る。伝統的金融や規制当局と協力の姿勢も=BBW

広告

アルゼンチンのカンファレンス「LABITCONF」、サトシ・ナカモトが正体明かすと告知(有識者コメントあり)

アルゼンチンで11月1日から開催されるビットコイン(Bitcoin)のカンファレンス「LABITCONF(Latin American Bitcoin & Blockchain Conference)」にて、ビットコインの考案者であるサトシ・ナカモトが自身の正体を明らかにすると、同カンファレンスの公式Xよりプレスリリースが出された