DCG、グレイスケールの暗号資産ファンドの保有株式を一部売却=報道

DCGがグレースケール提供の暗号資産ファンドの持ち分一部売却

デジタルカレンシーグループ(Digital Currency Group:DCG)が、同社子会社グレイスケール(Grayscale)運営の投資ビークルにおいて保有している株式を一部売却開始したとフィナンシャルタイムズが2月7日に報じた。

ソフトバンクも支援するDCGは、同社の融資部門ジェネシス(Genesis)が破産申請し、暗号資産取引所FTXや暗号資産レンディングのブロックファイ(BlockFi)とともに市場の暴落によって倒産し、債権者に対し少なくとも34億ドル(約4,462億円)の負債を負ったことで、苦しい状況となっている。

ジェネシス傘下の破綻した融資事業子会社を支援する為にDCGが資金調達を開始しようとしているタイミングで報じられた。

DCG保有のイーサリアム(Ethereum)ファンドの株式4分の1が売却され、1月24日以降のいくつかの取引で2200万ドル(約28.8億円)もの資金が調達されたと、フィナンシャルタイムズが米国の証券提出書類を引用して述べている。

また報道では、DCGがライトコイン(Litecoin)トラスト、ビットコインキャッシュ(Bitcoin Cash)トラスト、イーサリアムクラシック(Ethereum Classic)トラスト、デジタルラージキャップ(Digital Large Cap)ファンドの株式の小ブロック売却に動いたと付け加えられている。

ロイターはDCGとグレイスケールへコメントを要請したが、すぐには応じなかった。

バリー・シルバート(Barry Silbert)氏が所有するDCGは、ジェネシスとグレイスケールに加え、クリプトメディアのコインデスク(CoinDesk)などを所有している。ただしグレイスケールとコインデスクは倒産していない。

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※この記事は「あたらしい経済」がロイターからライセンスを受けて編集加筆したものです。
DCG sells shares in Grayscale crypto trusts in push to raise funds – FT
Reporting by Sneha Bhowmik and Akriti Sharma in Bengaluru; Editing by Eileen Soreng
翻訳:大津賀新也(あたらしい経済)
デザイン:一本寿和
images:iStock/Wiphop-Sathawirawong

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大津賀新也

「あたらしい経済」編集部 記者・編集者 ブロックチェーンに興味を持ったことから、業界未経験ながらも全くの異業種から幻冬舎へ2019年より転職。あたらしい経済編集部では記事執筆の他、音声収録・写真撮影も担当。