Visa、ステーブルコイン決済に注目
米決済大手ビザ(Visa)の暗号資産(仮想通貨)部門責任者であるキュイ・シェフィールド(Cuy Sheffield)氏が、2月5日に開催された「スタークウェア・セッション2023(StarkWare Sessions 2023)」に登壇し、同社がステーブルコイン決済に注目していることを明らかにした。
シェフィールド氏によると、ビザはブロックチェーン技術の台頭を同社の事業拡大のチャンスと捉えているという。
特にブロックチェーンとステーブルコインの組み合わせは、SWIFT(国際銀行間通信協会)を始めとする現行の送金システムが抱えるコストの高さや制限の多さなどの問題点を解決する新たなインフラの構築につながる可能性があるとの見解を同氏は示している。USDCとドルのような、ステーブルコインと法定通貨の交換をサポートできれば、国境を越えたドルの移動を従来よりも高速かつ安価に実現できるようになるとも同氏は話している。
またビザは、約5年前からブロックチェーン技術に注目しており、これまでにユースケースのリサーチや従来のネットワークにブロックチェーンを組み込む実験などを行ってきたとのこと。特にイーサリアム(Ethereum)とUSDCを用いた大口決済を当面の注力分野と考えており、ビザが既存の金融システムに提供してきた価値を、ブロックチェーンとステーブルコインを利用して、法定通貨を組み込んだシステムとして再構築することを目指しているとのことだ。
またビザが決済インフラ構築の際に採用するプロトコルについて重視する要素は、処理能力よりもセキュリティと拡張性だという。まずはセキュリティの高いインフラを構築し、その上でパートナー企業とともに様々なプロダクトを展開していくことが重要とのことだ。
Visaの直近のブロックチェーンに関する取り組み
ビザは積極的にブロックチェーンおよび暗号資産に関わるプロジェクトを実施している。2022年の主なプロジェクトは以下の通りだ。
1月:イーサリアム関連技術開発企業コンセンシス(ConsenSys)と提携し、CBDC(中央銀行デジタル通貨)と既存の金融サービスの接続を簡易化するためのインフラモジュールを開発
3月:NFTに関するクリエイター支援を目的とした「Visa Creator Program(ビザ・クリエイター・プログラム)」を発表
10月:JPモルガンと提携し、JPモルガンのブロックチェーンネットワーク「リンク(Liink)」を活用したクロスボーダー決済の効率化に取り組むことを発表
12月:イーサリアムのレイヤー2「スタークネット(StarkNet)」で、自動支払機能をテスト実装
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参考: 現地取材Twitter(Super Broly)・ Cointelegraph
デザイン:一本寿和
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