日本ガイシとリコーの合弁会社が事業開始、ブロックチェーン活用の電力デジタルサービス事業化へ

日本ガイシとリコーの合弁会社事業が開始

日本ガイシとリコーが、ブロックチェーンを活用した電力デジタルサービスと仮想発電所(VPP)サービス提供予定の合弁会社「NR-Power Lab(エヌアールパワーラボ)株式会社」の事業開始を2月1日発表した。日本ガイシとリコーによる合弁会社設立は昨年9月に発表されていた。

「NR-Power Lab」では、日本ガイシが保有する大容量の「NAS電池」など蓄電池制御技術と、リコーが保有するブロックチェーン活用の「再生可能エネルギー流通記録プラットフォーム」を組み合わせ、カーボンニュートラル達成へ向けた再エネ普及拡大のためのサービス提供を行うという。

そのなかで早期事業化を目指すのは、ブロックチェーン技術やIoT技術活用の「電力デジタルサービス」とデジタル技術で様々なエネルギーリソースを統合制御する「仮想発電所(VPP)サービス」とのこと。

「電力デジタルサービス」では、ブロックチェーン技術やIoT技術などで得られる電力データを活用し、地域・企業の脱炭素化や再エネ導入促進へ取り組むという。具体的には省エネ設備・エネルギーマネジメント・太陽光発電設備の運営保守などのソリューション提供を行う。

「仮想発電所(VPP)サービス」では、電力の需給バランスを包括的に調整し、発電量が不安定な再エネの安定的かつ効率的な利用を助けるという。また電源(調整力)を取引する需給調整市場へ、同サービス活用の調整力供出も検討しているようだ。

なお「NR-Power Lab」の資本金は4000万円で、出資比率は日本ガイシが51%でリコーが49%だ。愛知県名古屋市千種区の名古屋医工連携インキュベータ内に事業所を設けるとのこと。代表取締役社長には中西祐一氏が就任。事業開始時の従業員数は11名となっている。

日本ガイシとリコーは昨年5月から、地域新電力会社の恵那電力の再エネの発電から消費、余剰発電の「NAS電池」への充放電も含めたすべてのプロセスのトラッキング(追跡)を、「再生可能エネルギー流通記録プラットフォーム」で行う実証事業に取り組んでいる。また日本ガイシとリコー、岐阜県恵那市およびIHIの4社でブロックチェーン活用の「脱炭素・経済循環システム」の実証事業を2022年10月から開始することも発表されている。

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参考:プレスリリース
デザイン:一本寿和
images:iStocks/jittawit.21

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この記事の著者・インタビューイ

髙橋知里

「あたらしい経済」編集部 記者・編集者

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