米空軍が「SIMBA Chain」へ約39億円の追加出資、サプライチェーン管理のため

米空軍がシンバチェーンへ戦略的資金増額を実施

ブロックチェーンSaaS企業「SIMBA Chain(シンバチェーン)」が、米空軍(USAF)から3000万ドル(約39.1億円)の戦略的資金増額(STRATFI)を受けたと1月31日発表した。なおシンバチェーンによると、USAFによるSTRATFI実施の見極めは、将来の優位性を担保する可能性を持つ技術の見極めと進歩に重点が置かれるという。

米空軍とシンバチェーンは2020年、サプライチェーンネットワーク構築のため、2年間で150万ドルの提供を受ける契約を締結した。また昨年6月にはキャッシュフローやサプライチェーンの品質・管理・監視のためブロックチェーンシステムを開発する契約を結び、同年8月から軍の扱うデータ管理へのブロックチェーン技術活用を開始していた。

今回の投資はこれまでに比べ大幅な予算増となっている。

資金の利用は、サプライチェーン管理におけるブロックチェーンアプリケーションの開発・発展に注力する予定とのことだ。なおこれら計画の利用先は、国防次官研究及び技術局・米空軍・米海軍・米陸軍・国防物流局を想定しているという。

シンバチェーンの政府事業担当副社長のステイシー・ベトレ・アモデオ(Stacy Betlej-Amodeo)氏は今回の動きについて「米空軍の新プロジェクトは、国防省のサプライチェーンにおいて、より効率的かつ包括的な資産管理への道を開くだろう。私たちは国防総省との既存の連携のもと、企業全体にブロックチェーン技術を拡大することに興奮している」とコメントしている。

シンバチェーンCEOのブライアン・リッチー(Bryan Ritchie)氏は「STRATFIを通じ、政府パートナーはブロックチェーン技術に対する強い要求というシグナルを送っている。国防総省のサプライチェーンが相互に関連していることを考えると、商業業界内で協力し採用を拡大する機会があることも示されている」と述べた。

「SIMBA Chain」とは

「SIMBA Chain」は、イーサリアムやアバランチなど様々なブロックチェーン上で信頼性の高い分散型web3アプリを構築したい企業に対して、ソリューションを提供する企業だ。

設立の背景として、2017年に国防高等研究計画局(DARPA)がノートルダム大学研究コンピューティングセンターとアメリカの大手テクノロジープロバイダーITAMCO(イタムコ)からの助成金を受け、米軍向けの安全でハッキングされないメッセージングとトランザクションプラットフォームを開発するために作られたという。

また「SIMBA Chain」は米空軍の他に、ボーイング(Boeing)、キャタピラー(CAT) などの企業へもブロックチェーンソリューションを提供している。

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参考:プレスリリース
デザイン:一本寿和
images:iStocks/Tanaonte

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この記事の著者・インタビューイ

髙橋知里

「あたらしい経済」編集部 記者・編集者