【取材】長野県白馬村、NFTで村の自然を記録する実証実験、Final Aimらと

長野県白馬村がNFT活用の実証実験開始

長野県白馬村でNFTを活用した実証実験「Non-Fungible HAKUBA」が開始した。白馬村観光局、広告会社の新東通信、米国および日本国内でweb3事業を展開するFinal Aim(ファイナルエイム)が1月20日発表した。

発表によるとこの実証実験は、気候危機の影響で深刻な雪不足に直面してきた白馬村の美しい自然を改ざん不可能な記録として残すという意味を込めたプロジェクトとのこと。

事前招待者のみを対象に今シーズンの冬の白馬村の写真を募集し、その写真に紐づく撮影情報(時刻・位置など)をブロックチェーンに記録し特設サイトで公開する。そして写真投稿者に証明書としてNFTを発行する取り組みになるという。

写真の募集期間は2月中旬までを予定している。また写真が公開される特設サイトは3月公開予定とのこと。

なお同実証実験は技術検証も兼ねているとし、Final Aimが2021年11月より提供しているブロックチェーンプラットフォーム「Final Chain」のテストネット環境下にて行うとのこと。

Final Aimはリリースにて今回の取り組みを、今後の白馬村における同技術活用を検討するファーストステップだとしている。将来的には白馬村における環境負荷の低い観光・宿泊体験等を可視化し、その貢献度に応じたインセンティブを提供することで観光業を中心とした白馬村の環境負荷低減に繋げることも考えているとのことだ。

なお「あたらしい経済」編集部はFinal Aimに対し、「Final Chain」に採用している基盤ブロックチェーンについて問い合わせをしている。回答が得られ次第、その内容をこの記事に追記する予定だ。

以下2023.1.27 18:30追記

「あたらしい経済」編集部がFinal Aimに対し、「Final Chain」に採用している基盤ブロックチェーンについて問い合わせしたところ、使用基盤はイーサリアム(Ethereum)のテストネットである「Goerli(ゴエリ)」とのこと。「ゴエリ」とFinal AimオリジナルのコアAPIをもとに技術連携させるとのことだ。

また「あたらしい経済」編集部が、今回の実証実験が今後どのように白馬村へ寄与するのか聞いたところ、以下の回答が得られた。

「毎年訪れるコアなファンを中心に、白馬村のサステナビリティに寄与するかたちでの運用を考えています。

例えば、環境負荷の少ない宿泊施設や移動手段の利用、サステナビリティについて学ぶ自然体験ツアーなど、サステナブルなリゾートへ向けた活動を可視化し、それらに応じたインセンティブ(参加者限定の体験提供など)を設け好循環を目指します。

金銭的なインセンティブより一緒に白馬の自然を守るため、そしてより楽しむための枠組みを創出します」

NFTとは

「NFT(Non Fungible Token:ノンファンジブル・トークン)」とは、代替が不可能なブロックチェーン上で発行されたトークンを指す。NFTの規格で発行されたトークンは、そのトークン1つ1つで個別の価値を持つ。そのためNFTを画像や映像などのデジタルデータと紐付けることで、デジタルデータの個別の価値を表現することに活用されている。

なおNFTという言葉は現在幅広く活用されており、活用するブロックチェーンやマーケットプレイスの種類によって、その機能や表現できる価値が異なる可能性があることには留意が必要だ。

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デザイン:一本寿和
images:iStocks/PhonlamaiPhoto

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この記事の著者・インタビューイ

髙橋知里

「あたらしい経済」編集部 記者・編集者

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