暗号資産レンディングNexo、米SECらに約58億円罰金支払いへ、告発解決のため

Nexoが米SECらに約58億円の罰金支払いへ

暗号資産(仮想通貨)レンディング企業の英ネクスオー(Nexo Capital)が、米国証券取引委員会(SEC)と州規制当局からの「暗号資産融資商品の登録を怠った」という告発を解決する為に4500万ドル(約58億円)の罰金を支払うことに同意した。SECが1月19日発表した。

SECの声明によるとネクスオーは、米国の投資家に対して販売した暗号資産融資商品「アーンインタレスト(Earn Interest)」に関連して、SECと州規制当局に対してそれぞれに2250万ドルを支払うとのことだ。

ネクスオーは2020年6月頃に「アーンインタレスト」を提供開始し、これにより米国の投資家はネクスオーに暗号資産を提供することで利子を得ることが可能になった。しかし、2022年2月にSECが同様のサービスを提供する企業に対して告発を行ったため、ネクスオーは「アーンインタレスト」を新たに投資家に提供することを中止していた。

SECの調査結果を認めることも否定することもしなかったネクスオーは、今回の罰金支払いによる解決策に「満足」していると述べている。

ネクスオー共同創設者コスタ・カンチェフ(Kosta Kantchev)氏は「私たちは、近いうちに明確な規制の状況が現れると確信しています。ネクスオーのような企業は、米国で価値ある製品をコンプライアンスに則って提供できるようになると確信しています」と語った。

ネクスオーは先月12月、規制当局との衝突により、今後数ヵ月にわたって段階的に米国内で提供するプロダクトとサービスを縮小すると発表していた。

SECは昨年、企業による暗号資産の利回り商品の提供をターゲットしており、昨年2月に同様の商品を提供していたブロックファイ(BlockFi )の子会社に対して最初の告発を行った。

そして先週にSECは、ジェネシス・グローバル・キャピタル(Genesis Global Capital)およびジェミナイトラストカンパニー(Gemini Trust Company )が提供していた暗号資産融資商品について告発を行った。

なおネクスオーは米国以外でも当局と苦闘をしている。先週にはブルガリアの検察がネクスオーに対する捜査の一環として関係者4人を起訴している。当局は1月12日に同国首都ソフィアに15カ所以上あるネクスオーの拠点を家宅捜索し、組織犯罪集団の設立、税犯罪、マネーロンダリング、無許可の銀行営業、コンピューター詐欺による疑いについて調査していることを発表している。

ネクスオーは、ブルガリア当局が同社のオフィスに調査に入ったことを確認したとしているが、そこには給与計算やカスタマーサポートなど、運営費に関連する機能しかないと主張している。

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※この記事は「あたらしい経済」がロイターからライセンスを受けて編集加筆したものです。
Crypto firm Nexo Capital agrees to pay $45 million to settle U.S. SEC, state charges
Reporting by Chris PrenticeAdditional reporting by Hannah Lang in Washington and Jonathan Stempel in New YorkEditing by Matthew Lewis and Josie Kao
翻訳:大津賀新也(あたらしい経済)
images:Reuters

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大津賀新也

「あたらしい経済」編集部 記者・編集者 ブロックチェーンに興味を持ったことから、業界未経験ながらも全くの異業種から幻冬舎へ2019年より転職。あたらしい経済編集部では記事執筆の他、音声収録・写真撮影も担当。

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